高度専門職ビザはハイスキルな人材に日本で働いてもらうため設けられた在留資格です。一般的な就労ビザにはない優遇措置が設けられており、優秀な人材に日本定着してもらうこと、また他国との人材の取り合い合戦の中、働く場所として日本を選んでもらいたいという意図があります。
優遇措置は、ビザの更新が5年毎または永住権の獲得、配偶者の優遇、両親・家事使用人の帯同(条件あり)などです。
高度専門職ビザの要件:高度人材ポイント
高度専門職ビザ取得の主な条件は「高度人材ポイント計算表で70点以上」「年収300万円以上」です。
高度人材ポイント計算表は高度専門職ビザを取得できるかの条件確認書になっています。年齢・学歴・経歴・日本語能力・年収・実績・働く企業等の性質等に応じてポイントで加算されます。
高度外国人材:
「国内の資本・労働とは補完関係にあり,代替することが出来ない良質な人材」であり,「我が国の産業にイノベーションをもたらすとともに,日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場の発展を促し,我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材」
平成21年5月29日高度人材受入推進会議報告書
上記は政府機関の報告書で表現されている高度専門職ビザの取得できる人物像です。簡単に言えば「優秀な人材」ということです。
高度人材ポイント計算表に照らし合わせると、「若くて」「高学歴で」「高年収で」「イノベーション事業に携わる」人物が理想像のようです。
具体的なポイントを見ると、
- 博士号所持で30点、大卒で10点
- 年収1000万円以上で40点、年収400万円未満は0点
- 30歳未満で15点、40歳以上は0点
- 日本語能力試験N1所持で15点、N2は10点
- 世界上位300位以内の大学卒業で10点
- イノベーション促進支援措置を受けている企業勤務で10点(かつ中小技行の場合は+10点)
などです。
大学卒業、日本語能力◎、高収入の方は70点以上取れているかもしれませんよ?
若くて年収が高い方は技術・人文知識・国際業務ビザではなく、最初から高度専門職ビザを取れる可能性があります!
また、300万以上の年収が必要とされています。ただし、高度専門職ビザには3種類あり、そのうちの「高度専門職1号イ(後ほどご説明します)」には適用されません。
ポイント!:高度人材ポイント計算表で70点以上で高度専門職ビザ可能
ポイント!:「若い」「高学歴」「高年収」「イノベーション」ワードが複合していると高度専門職ビザ取れる可能性大!
高度専門職ビザの種類
高度専門職ビザには「1号」「2号」という2つのグレードがあります。高度専門職ビザは1号からスタートし、更に条件を満たすと更にメリットのある2号へ変更が可能になるという仕組になっています。
また、高度専門職1号は
- 「高度専門職1号イ」
- 「高度専門職1号ロ」
- 「高度専門職1号ハ」
の3つに分けられています。
高度専門職ビザのメリット
高度専門職ビザには、一般的な就労ビザと比べるとメリットがたくさんあります。
高度専門職1号 | 高度専門職2号 |
---|---|
1. 複合的な在留活動の許容 | 1.「高度専門職1号」の活動と併せてほぼ全ての就労資格の活動を行うことができる |
2. 在留期間「5年」の付与 | 2.在留期間が無期限となる |
3. 在留歴に係る永住許可要件の緩和 | 同左 |
4. 配偶者の就労 | 同左 |
5. 一定の条件の下での親の帯同 | 同左 |
6. 一定の条件の下での家事使用人の帯同 | 同左 |
7. 入国・在留手続の優先処理 | 同左 |
高度専門職1号だと在留期間が5年、高度専門職2号だと無期限です。一般的にビザの期間は1年からスタートしますが、いきなり5年となるんです。
また、永住権獲得は通常10年の日本在留が必要ですが、これも大幅に緩和されます。
親や使用人の帯同も他のビザには無いメリットですね。
詳しくはこちら↓をご覧ください。
高度専門職1号ビザについて
高度専門職ビザはまず1号からスタートします。また、高度専門職1号ビザで来日することも可能です。ビザ取得の条件は後ほどご説明しますね。
高度専門職1号ビザは、下記のように活動内容によって3体系に分かれています。
在留資格名 | 活動内容(職業) |
---|---|
高度専門職1号イ | 高度学術研究活動 (研究者など) |
高度専門職1号ロ | 高度専門・技術活動 (サラリーマンなど) |
高度専門職1号二 | 経営・管理活動 (社長・会社役員など) |
高度専門職ビザは就労ビザの上位ビザにあたりますので、「イ」「ロ」「ハ」は基本的には各就労ビザとリンクしています。
高度学術研究活動であれば研究ビザや教授ビザ、高度専門・技術活動であれば法律・会計事務ビザや技術・人文・国際業務ビザ、高度経営・管理活動であれば経営・管理ビザという具合です。
在留資格名 | 当てはまる在留資格 |
---|---|
高度専門職1号イ | 教授 研究 教育 |
高度専門職1号ロ | 技術・人文知識・国際業務 企業内転勤 教授 芸術 報道 経営・管理 法律・会計業務 医療 研究 教育 介護 興行 宗教 技能 |
高度専門職1号二 | 経営・管理 法律・会計業務 興行 |
重複しているビザもありますね。これは、活動内容によってイ、ロ、ハの内容と重複することがあるからです。例えば、興行ビザであれば芸能活動をしながらマネジメント会社を運営するなどが考えられますね。
また、上記のビザを持っているからと言って必ずしも高度専門職ビザに変更できるとは限りません。高度専門職1号ロであれば、「自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動」が必須となりますので、この活動に当てはまらない限りは高度専門職ビザへの変更はできないのです。
こちらの図は高度専門職ビザとその他のビザとの関係性を示したものです。
図の下部の「対象外」に注目して下さい。「国際業務」とありますが、これは技術・人文知識・国際業務ビザの国際業務部分だけ切り取っています。国際業務は主に通訳・翻訳が当てはまりますが、この業務で技術・人文知識・国際業務ビザを持っている人は高度専門職ビザへ変更ができません。
公用ビザ、外交ビザ、特定技能ビザ、技能実習ビザなどは就労ビザにはなりますが、高度専門職ビザの趣旨である「我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの」に当てはまりにくいとして除外されています。「そうなの?」と思ってしまいますが、制度趣旨である「優秀な人材の確保」を考えれば納得できますね。
また、高度専門職は就労ビザの上位ビザになりますので、就労ビザ以外は除外されています。
高度専門職1号イについて
高度専門職1号イの定義は下記の通りです。
法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動
平たく言えば、「学者・研究者・教授」ですね。
また、活動内容と関連する事業であれば経営することも可能になっています。
ポイント!:「高度専門1号ロ」は学者・研究者
ポイント!:関連していれば社長も可能
高度専門職1号ロについて
高度専門職1号ロの定義は下記の通りです。
法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動
「自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務」というところがポイントです。難しい表現ですが、要するに「頭を使う仕事」全般です。統計を見る高度専門職1号ビザを取った人の8割以上は高度専門職1号「ロ」です(2019年12月統計)。
ただし、ただし、注意してほしいのは技術・人文知識・国際業務ビザをお持ちの方です。このビザの「国際業務カテゴリー」については高度専門職1号ビザに当たらないとされています。
お仕事内容が通訳や翻訳、外国文化寄りの思考や感受性が必要とされる仕事が主な場合は高度専門職ビザへ変更はできません。
また、活動内容と関連する事業であれば経営することも可能になっています。
ポイント!:高度専門職1号を取る場合、80%以上は「高度専門職1号ロ」
ポイント!:通訳・翻訳などの国際業務では高度専門職ビザに変更不可
ポイント!:関連していれば社長も可能
高度専門職1号ハについて
高度専門職1号ハの定義は下記の通りです。
法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動
「経営を行い若しくは当該事業の管理」とあるように、経営者や幹部用ですね。基本的に経営・管理ビザの上位と考えればOKです。
ポイント!:「高度専門職1号ハ」は社長・幹部用
高度専門職2号ビザについて
高度専門職2号へは高度専門職1号ビザで3年以上活動を行っていた方が対象になります。
また、日本での在留状況も審査対象になりますので、素行が悪いと許可されません。
ポイント!:日本在留3年以上+善良市民で高度専門職2号ビザに変更できる