2019年11月ですが、弊所が申請した漁業分野の特定技能で2社5名の許可が出ました!(海外から呼び寄せる許可書取得の申請)
出入国在留管理局発表の資料によると、2019年11月末の速報値で8人となっていました。下記表はすでに特定技能として日本に在住している外国人の数ですが、数字を見ると漁業分野はたったの8名です。漁業分野の特定技能の実績のある登録支援機関・行政書士は全国的にほとんどいない中、弊所は先行して実績を作ったと言えると思います。
漁業は難しかったです
漁業では、一般的な会社が適用される労働基準法の一部が適用外となっており、また、漁業特有の法律があるため、漁業に初めて携わった身としては勉強だらけでした。なかなか一般の行政書士や社労士では対応できないと思います。私は釣りが趣味ということもあってこの仕事にも熱が入りましたし、全く知らない世界ではないということで、やり遂げることができたと自画自賛しています。
特定技能の漁業は人材紹介業に不向き
漁業分野の協議会(漁業特定技能協議会)で決定している内容を一部ご紹介します。
外国人材本人の意向や技能実習2号受入れ経営体による継続雇用の意向を尊重し、他地域及び他の漁業種類で雇用されている外国人材を積極的に引き抜き雇用することを自粛することを申し合わせる。
特定技能所属機関による外国人材の引き抜き防止に係る申し合わせ(令和元年7月30日)
特定技能は転職自由、元技能実習生もなれるということで、人材の流動性が高い制度です。そのため、どの分野でも雇用主は転職を危惧されています。
労働条件がいいところに人が流れていくことは仕方がないことです。しかし、漁業は田舎で営まれていることが多く、人がなかなか集まらない中で転職されてしまうと経営者にとって大きなダメージとなります。好条件好立地の都市部の潤っている会社には勝ちようがないため、人材の流動性には何かしらの規制が必要だったのです。
そのため、上記のような申し合わせが決まっているんです。
また、引き抜き「自粛」くらいなら別にいいでしょ,という声も聞こえてきそうですが、漁業分野の場合は分野別協議会への加入申請時に問題が起こります。
漁業の協議会加入は、雇用主が所属する漁業の全国団体毎に方法が変わりますし、まだ制度もスタートしたばかりなのでどこまで確認されるかは不透明ですが、私が協議会への加入手続きをお手伝いした際に、特定技能を取った元技能実習生の技能実習時代の雇用先についても確認されました。確認されるということは、加入できない可能性があるということ。人材紹介業の方が特定技能の転職を斡旋したものの、雇用主が協議会に加入できないという状況が生まれる可能性があります。
人材紹介会業は人材の流動性を担っていますが、その流動性に規制があるということはデメリットになりますね。
登録支援機関として漁業分野への新規参入は困難
外国人との円滑な共生を図る観点から、地域の漁業活動やコミュニティ活動の核となる漁業協同組合又は漁業協同組合連合会が、登録支援機関となるよう努めてください。
特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -漁業分野の基準について-
上記の通り、漁業分野については登録支援機関にも注文がついています。しかも、漁協は技能実習の監理団体になっていることが多く、登録支援機関にもなれることから、登録支援機関として新規に漁業に食い込んでいくことは非常に困難です。
地場の漁協には密接支援で太刀打ちできないでしょうし、先ほど人材紹介の時にも触れましたように地場の漁協以外は協議会に加入ができない可能性があります。
漁業分野の登録支援機関(漁業組合など)の方々へ
まだまだ勉強中の身ではありますが、漁業の特定技能の実績のある専門家にご相談してみませんか?顧問契約や、もちろんビザ申請そのものも対応可能です。
交通費と日当をいただければ全国どこへでもご訪問させていただきます。その時は釣竿を持っていくかもしれません。