※体裁を整えるのはまた改めて。。特定技能のビザ申請を行う行政書士が感じたことを随時更新していきます。

特定技能は2019年から始まった在留資格です。2020年9月現在、仕組みができて1年以上が経過しましたが、企業も登録支援機関も行政書士も、そして審査する出入国在留管理局もなかなか混乱しているように見受けられます。

その理由の一つは、制度が複雑だということ。登場人物は上記の他に分野ごとに協議会があり、そして外国人本人は多種多様なバックグラウンドを持っています。

よく似た制度に技能実習制度があります。私は特定技能も技能実習も両方手掛けていますが、圧倒的に特定技能の方がややこしいです。

また、技能実習においては、ビザ申請を行うのは監理団体や何十人も技能実習生を雇っている企業に限られるので、専門性の高い人が申請することになります。しかし、特定技能は監理団体を通さずに特定技能の外国人を雇えるということで入管法の知識の乏しい企業が直接申請することも増えましたし、特定技能の制度がきっかけで新規参入した登録支援機関や行政書士が関わることも多く、そのために申請先である出入国在留管理局も混乱している面が多分にあると思います。

必要な書類がどれか分からない!

特定技能に必要な書類は法務省のホームページに掲載されています。

それを見れば簡単に申請できると思いきや。。「○○の場合に必要」など、例外も多くありますので、一筋縄ではいきません。30種類以上の書類の中から必要な書類を選ぶのは想像以上に大変です。

また、見慣れない書類も多く、自社にあるはずの書類を探し出すのも苦労するかもしれません。

書類が集まらない!

納税証明書などは、とりあえず役所に行けば入手できると予想されると思いますが、実は発行されないということも。

私の担当したケースでも書類が発行されないというケースが税務署で3件ありました。依頼者が直接税務署に行って発行を依頼していただいたのですが、「そんな書類は出せない」と断られてしまったのです!

結局私が間に入ることで発行していただいて事なきを得たのですが、慣れていない人だと何度も税務署に足を運んだり、上手に説明できずに出入国在留管理局の職員と税務署職員の間で板挟みにあうかもしれません。

また、書類は役所から入手できたものの、項目が不足していたために取り直しというケースも。。

書類の有効期限切れ!

私が担当した案件でもいくつも発生しました。

私の場合はコロナの影響や、企業様が多忙のせいですが、申請に慣れていない方の場合、有効期限切れのリスクはかなりあると思います。

書類の有効期限は、基本的に発行後3か月です。

3か月もあれば問題ないと思われるかもしれません。しかし、いろいろな役所から書類を入手する中で郵送でしか発行されないものがあり、申請書に不備があれば入手が遅くなります。

また、行政書士などの専門家に申請書作成を依頼した場合でも、申請書作成のやり取りに時間がかかってしまい、気づいたら有効期限を迎えていたということもあるかもしれません。

特に、建設分野の場合は、計画の認定を受けてからビザ申請となりますので、通常よりも時間がかかります。タイムスケジュールを上手に組まなければ、例えば健康診断を再受診しなければならないなど、無駄な時間と出費がかさむことになります。