「契約機関に関する届出」とは
契約機関に関する届出は就職・離職・転職があったときや勤務先情報の変更があったときに外国人本人が入国管理局へ行う手続きで、「所属機関等に関する届出」の1つです。
届出をしなかったり虚偽の申告をすると重い罰則規定がありますし、今後のビザの更新時に悪影響を与えますので、日本で働く外国人の方にとっては非常に重要な手続きです。
その他にも、「活動機関に関する届出」「配偶者に関する届出」もあります。こちらでは就労ビザを持って働く外国人の方に焦点を当てて解説します。
届出先・届出方法
「契約機関に関する届出」の提出先は最寄りの入国管理局です。郵送の場合は東京入国管理局在留管理情報部門届出受付担当へ、オンラインでの電子申請の場合は入国管理電子届出システムからとなります。書式や届出方法の詳細は法務省のホームページをご確認ください。
届出ができる人
外国人本人が届出をすることになっております。
ただし、届出書に本人の署名があればよく、雇用主が代理で届出することも可能です。外国人本人がこの届出についてよく分かっていないこともありますので、雇用側で代わりに届出をしたり、届出を案内してあげるなど便宜を図ることも必要かと思います。
また、電子申請は外国人本人しかできません。
「契約機関に関する届出」が対象となる在留資格(ビザ)
就労ビザの一部の在留資格が対象です。その他の就労ビザ等については「活動機関に関する届出」にて手続きすることになります。
在留資格名 | 備考 |
高度専門職1号イ又はロ | 勤務先(所属機関)が固定されているビザ(在留資格)ですので、転職したときには「契約機関に関する届出」ではなく在留資格変更許可申請が必要 |
高度専門職2号(イ又は ロ) | 勤務先(所属機関)が固定されていませんので、在留資格変更許可申請は不要。ただし、「契約機関に関する届出」は必要 |
研究 | |
介護 | |
技術・人文知識・国際業務 | 一般的な就労ビザ |
興行 | 所属機関との契約に基づいて活動に従事する場合に限る |
技能 |
届出に必要な書類
届出書と在留カードのコピーが必要です。
届出が必要なタイミング
タイミングは大きく2つに分けられます。
- 契約先の変更(外国人本人が就職・離職・転職・出向したとき)
- 契約先情報(勤務先など)の変更(名称や住所の変更や消滅があったとき)
派遣社員の場合は、常用派遣か登録型派遣によって異なります。派遣開始時・終了時に契約先が変わる場合に必要な届出となりますので、常用派遣の場合は不要、登録型派遣の場合は必要となります。
海外から就職で日本に来た場合や、就職が決まって留学ビザから就労ビザに変更した場合においては、ビザ取得時(在留資格許可時)に申請していた会社に予定通り就職した場合は就職に関しての届出は不要です。
また、転職時に就労資格証明書を取得した場合でも、「契約機関に関する届出」は必要ですのでお忘れなく。
届出の期限
変更等があった日から14日以内です。
変更が現実にあってからの届出となりますので、変更前に届出をしても無効ですのでご注意くださいね。
罰則
重い罰則が課せられることがあります。必ず罰則を受けるわけではありませんが、期限内に嘘の無い届出をしましょう。
状況 | 罰則内容 |
届出をしない、忘れる | 20万円以下の罰金 |
虚偽の届出をする | 1年以下の懲役又は20万円以下の罰金 |
虚偽の届出をして懲役に処せられる | 退去強制の可能性あり(退去強制事由に該当) |
また、上記の罰則を受けなくとも今後のビザの更新に不利に働きます。
3年や5年の在留期間を取るためには、「契約機関に関する届出」を含めた外国人に課せられた届出義務を果たしていなければなりません。
更に言えば、永住ビザを取るためには3年以上の在留期間を得ていなければなりません。お持ちのビザの期間が「1年」だと永住申請できないんです。
長期の在留期間の取り方についてはこちら