2019年4月からスタートする新在留資格:特定技能(以後、特定技能ビザ)。技能実習生として3年以上日本で働けば試験無しで特定技能ビザへ変更できることは業界の方はよくご存じだと思いますが、新制度が始まる前に特例措置がスタートすることはご存知でしょうか?

特定技能1号ビザへ変更予定者の特例措置

特定技能ビザは2019年4月にスタートしますが、そのビザの前提となる登録支援機関の登録申請も4月からスタートします。そのため、特定技能ビザの要件をすでに満たしている技能実習生であっても、特定技能ビザへ変更できずに在留期間の満了を迎えて帰国しなければならないケースが大量に発生してしまいます。

そこで、特定技能ビザへの変更ができるまでの期間、特定活動ビザへ変更して引き続き就労できるように特例措置が設けられています。

特例措置の対象者

特例措置の対象者は以下の全てを満たす方です。

  • 「技能実習2号」で在留した経歴あり
  • 現在、「技能実習2号」「技能実習3号」「特定活動」(外国人建設就労者又は造船就労者として活動している者)の在留資格を持っている方
  • 2019年3月~2019年9月末までに在留期間が満了する方

特定技能ビザは日本語・技能試験の合格者の他に、技能実習2号を修了した方も対象となります。できる限り日本で働きたいけれどタイミングが悪く帰国せざるを得ない技能実習生のための救済処置ですね。

特例措置の要件

この特例措置は対象者であることだけでは適用されません。下記要件を全て満たす必要があります。

  1. 従前と同じ事業者で就労するために「特定技能1号」へ変更予定であること
  2. 従前と同じ事業者で従前の在留資格で従事した業務と同種の業務に従事する雇用契約が締結されていること
  3. 従前の在留資格で在留中の報酬と同等額以上の報酬を受けること
  4. 登録支援機関となる予定の機関の登録が未了であるなど,「特定技能1号」への移行に時間を要することに理由があること
  5. 「技能実習2号」で1年10か月以上在留し,かつ,修得した技能の職種・作業が「特定技能1号」で従事する特定産業分野の業務区分の技能試験・日本語能力試験の合格免除に対応するものであること
  6. 受入れ機関が,労働,社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
  7. 受入れ機関が,特定技能所属機関に係る一定の欠格事由(前科,暴力団関係,不正行為等)に該当しないこと
  8. 受入れ機関又は支援委託予定先が,外国人が十分理解できる言語で支援を実施できること

平たく言えば、雇用先が法令順守をしていること、新設の特定技能ビザの制度に適合した支援体制があること、特定技能ビザの対象業務に従事していることが必要ということです。

許可後の在留資格・在留期間

この特例措置で許可されると、在留資格:特定活動が与えられ、在留期間は4か月(原則更新不可)となります。

4か月以内に特定活動ビザへ変更できるように、受入れ機関は支援体制を整えるか、登録支援機関を用意しなければなりません。

申請・許可開始時期について

申請開始は2019年3月1日からです。申請先は入国管理局となります。

許可の開始時期は最短で2019年4月1日からとなります。

申請書類について

申請書類は以下の通りです。申請内容に応じて追加書類を求められることがあります。

  1. 在留資格変更許可申請書(U(その他))
  2. 申請人の写真
  3. 受入れ機関の誓約書(参考様式1【PDF】)
  4. 「特定技能1号」へ変更するまでの雇用契約に関する書面(雇用契約書,雇用条件書等の写し)
  5. 申請人に係る従前の賃金台帳の写し(過去1年分)
  6. 受入れ機関が作成した理由書(「特定技能1号」への在留資格変更許可申請までに時間を要する理由(登録支援機関となる予定の機関の登録が未了であるなど),同申請が可能な時期の見通し,「特定技能1号」での活動予定内容等を記載したもの)(任意様式)
  7. 「技能実習2号」で修得した技能が「特定技能1号」で従事する特定産業分野の業務区分の技能試験及び日本語能力試験の合格免除に対応することを明らかにする資料(技能実習計画書の写し,技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験の合格証)

2019年3月末までに在留期限を迎える場合

現在のビザの在留期間内は引き続き就労できますが、在留期限を超えての就労はできません。

2019年3月末までに在留期限を迎える方は申請しても最短の許可日が2019年4月1日ですので、空白期間が生じますが、この間は就労ができなくなります。バイトも不可。就労しないという宣誓書も必要になりますのでご注意ください。

また、申請中に在留期間が満了することになりますが、申請してから最大2か月間は日本に留まり続けることができます。そして、許可時には在留資格:特定活動(就労不可)が与えられます。

2019年3月末までに在留期限を迎える場合の申請書類

  1. 在留資格変更許可申請書(U(その他))
  2. 申請人の写真
  3. 受入れ機関が作成した理由書(「特定技能1号」への在留資格変更許可申請までに時間を要する理由(登録支援機関となる予定の機関の登録が未了であるなど),同申請が可能な時期の見通し,「特定技能1号」での活動予定内容等を記載したもの)(任意様式)
  4. 「技能実習2号」で修得した技能が「特定技能1号」で従事する特定産業分野の業務区分の技能試験及び日本語能力試験の合格免除に対応することを明らかにする資料(技能実習計画書の写し,技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験の合格証)
  5. 申請人からの誓約書
  6. 受入れ機関からの誓約書

申請中に在留期限を迎える場合の注意点

申請中に現在のビザの在留期間が満了すると、それ以降は許可されるまで就労できません。また、在留期間が満了しても最大2か月までは日本滞在が可能となります。

その他注意事項

  • 特定技能ビザは最長5年間の日本滞在となりますが、在留資格:特定活動(就労可)の間もその期間に算入されます。
  • 特定技能ビザへの変更できる体制が整い次第、ビザの変更手続きが必要となります。

特例措置の代行申請のご依頼について

関西限定で承ります。

弊所で申請書・理由書の作成を行い、入国管理局への申請・受取までさせていただきます。

お客様はその他の書類をご準備ください。

申請人数費用(税別)
1人30,000円
2人目以降10,000円/人

※許可時には収入印紙4,000円必要です。お客様にご負担いただきます。