帰化申請は会社員と経営者とでは必要書類が大きく違います。なぜなら経営者は事業と個人生計が密接に関係しているから。そのため経営者は「会社に関する書類」が大量に必要になります。

ここでは帰化申請に必要な会社に関する書類についてまとめていきます。

会社に関する書類が必要になる対象者

会社に関する書類が必要となる方は以下の通りです。

  • 帰化申請者本人が会社役員
  • 同居の家族が会社役員
  • 親族経営会社の社員

会社に関する書類の取得先

会社に関する書類は公的機関が発行する証明書類会社が保有する書類、会社が作成する書類などがあります。

書類の取得先ごとにまとめてみます。

公的機関が発行する証明書類

公的機関の書類は1箇所ではありません。市役所、税務署、都道府県税事務所、法務局などがあります。

書類名 取得場所
法人市民税納税証明書 市区町村役場
法人事業税納税証明書 都道府県税事務所
法人府民税納税証明書 都道府県税事務所
法人税納税証明書(その1・その2) 税務署
法人消費税納税証明書(その1) 税務署
会社(法人)登記事項証明書(履歴事項全部証明書) 法務局

市役所:法人住民税納税証明書の取り方

(大阪市 納税証明書交付申請書抜粋)

お住いの地域の市区町村に住民税を払っていると思いますが、住民税は「法人」に対しても課税されます。大阪市の場合は法人住民税を法人市民税と呼んでいます。

事業所所在地などを基準に納税義務が発生するのですが、複数の市区町村に事業所を持っている場合はそれぞれの市区町村に分割して納税しなければなりません。つまり、この場合は複数の市役所から法人住民税納税証明書を取得しなければなりません。大変ですね…

◆請求できる方は以下の方などです。

  • 法人の代表者(法人の代表者印が必要)
  • 代理人(法人の代表者印の押された委任状が必要)
  • 従業員(申請書に法人の代表者印が押印されていれば委任状不要。そのかわり社員証等の提示が必要)
  • 法人の代表者の同一世帯の親族(委任状不要)

◆手数料は一通300円です。

◆郵送請求可能です。申請書、300円の定額小為替(郵便局で購入)、返信用封筒、本人確認書類の写し、委任状(必要な場合)を同封して該当する市区町村役場の窓口に郵送請求します。

都道府県税事務所:法人事業税納税証明書、法人県民税納税証明書の取り方

(大阪府 納税証明書交付請求書抜粋)

まず、法人事業税納税証明書について。法人の所得のうち都道府県に納める法人税です。

次に法人県民税納税証明書について。法人県民税は都道府県に収める住民税です。大阪府の場合は法人府民税と呼びます。「人」の住民税は都道府県分も合算して市区町村役場が一括して徴収していますが、「法人」の住民税は市区町村と都道府県は別々に徴収しています。

どちらも事業所所在地などを基準に納税義務が発生するのですが、複数の都道府県に事業所を持っている場合はそれぞれの都道府県に分割して納税しなければなりません。つまり、この場合は複数の都道府県から法人住民税納税証明書を取得しなければなりません。大変ですね…

◆請求できる方は以下の方などです。

  • 法人の代表者(法人の代表者印が必要)
  • 代理人(請求書の委任状欄に代表者の捺印必要)

◆手数料は一件400円です。

◆郵送請求可能です。請求書、400円の定額小為替(郵便局で購入)または大阪府証紙、返信用封筒、本人確認書類の写し、を同封して該当する都道府県税事務所の窓口に郵送請求します。

税務署:法人税納税証明書、法人消費税納税証明書の取り方

(国税庁 納税証明書交付請求書抜粋)

まず、法人税納税証明書について。法人の所得のうち国に納める法人税です。法人税納税証明書その1・その2が帰化申請では必要になります。

次に法人消費税納税証明書について。法人消費税は国税と地方税を合算したものです。国税として6.3%、地方税として1.7%です。法人消費税納税証明書その1が帰化申請では必要になります。

どちらも本店所在地を管轄する税務署で取得します。

◆請求できる方は以下の方などです。

  • 法人の代表者(法人の代表者印が必要)
  • 代理人(委任状に代表者の捺印必要)

◆手数料は一件400円です。

◆郵送請求可能です。請求書、400円の収入印紙、返信用封筒を同封して税務署の窓口に郵送請求します。

◆e-Taxでオンライン請求も可能です。この場合は一件370円です。受け取りは窓口、郵送、電子ファイルの3通りの方法があります。

法務局:会社(法人)登記事項証明書(履歴事項全部証明書)の取り方

(法務局 交付申請書抜粋)

法務局では会社に関する登記の証明書を入手します。会社が複数ある場合は全て必要になります。

◆取得先は全国の法務局です。どこでも取得可能です。

◆会社名と本店所在地が分かればどなたでも請求できます。

◆手数料は一件600円です。

◆オンライン請求も可能です。この場合は郵送受取りは一件500円、窓口受取りは480円です。詳しくはこちら

会社が保有する書類・作成する書類

帰化申請では会社で集める書類・作成する書類として以下のものがあります。

書類名 備考
確定申告書(控)の写し(添付書面全て) 直近1年分
決算報告書(貸借対照表・損益計算書含む) 直近1年分
源泉徴収簿の写し 直近1年分
源泉徴収金納付書の写し 直近1年分
年金事務所が発行した保険料の領収書などの写し 直近1年分(厚生年金法に定める適用事業所の事業主)
営業許可書・免許書類の写し・登録書の写し
在勤・給与明細書(指定フォーマットあり) 直近1ヶ月

◆確定申告をe-Taxでされている場合は確定申告の控えに代えて「受信通知及び申告データ出力分」を提出します。

◆税理士と顧問契約をしている場合、お金関係の書類は税理士に頼めば楽ですね。

◆営業許可書・免許書類の写し・登録書の写しは事業を行う為に必要な許認可等を取得しているかを確認する為に提出します。

◆在勤・給与明細書は法務省より指定のフォーマットがありますので、そちらに金額等を記載の上、代表者印を捺印します。直近1ヶ月分が必要となっていますので、帰化申請直前に作成した方がいいですよ。

◆公的機関発行の書類を紛失した場合は管轄の役所に問い合わせしてください。証明書などを発行してもらえます。