帰化申請に必要な書類は膨大にありますので、まとめて収集できたらいいですね。市役所で収集する書類のみ取り上げてみました。

※大阪市を例に挙げて説明しています。

市役所での書類収集方法

市役所が発行する書類は、基本的に本人が請求することになります。本人以外の請求については書類によって異なりますが、①書類に名前の記載のある方、②本人から委任を受けた代理人、③請求する書類に名前の記載のある方、④その他法令で定められた方などが請求可能です。

発行にかかる手数料は書類や市役所によって異なります。

また、郵送請求も可能です。
詳しくは各市役所のホームページを確認するか直接問い合わせしていただきたいのですが、一般的には下記書類を送付します。

  • 証明書交付申請書
  • 定額小為替(郵便局で購入できます。手数料分を同封します)
  • 委任状
  • 本人確認書類(運転免許証・健康保険証・個人番号カードなど)
  • 返信用封筒(住所・氏名記載し、切手も貼っておく)

一度に何枚も請求する場合は返信用封筒の切手代に注意してくださいね。重くなりますので切手代が変わる可能性があります。

書類ごとの詳細解説

市役所で収集する書類は次の通りです。

  • 戸籍謄本
  • 住民票(同居者全員)
  • 出生届記載事項証明書
  • 婚姻届記載事項証明書
  • 離婚届記載事項証明書
  • その他の届書記載事項証明書
  • 市・府民税 納税証明書
  • 市・府民税 課税(非課税)証明書(総所得金額の記載のあるもの)
  • 法人市民税納税証明書

戸籍謄本

戸籍謄本は夫婦と未婚の子供単位で構成される名簿で、出生・結婚・離婚・死亡・帰化などの身分情報が記載されています。一方で戸籍抄本もありますが、戸籍謄本が家族単位での発行に対して戸籍抄本は指定した方のみ(複数人可)の情報となります。帰化申請で使用するのは戸籍謄本ですのでお間違えのないように。大阪市では一通450円です。また、除籍謄本(一通750円)は戸籍に誰もいなくなって閉鎖された戸籍の謄本のことですが、場合によっては必要となります。

ご家族に日本人がいる場合はその方の戸籍謄本が必要となります。その範囲は両親、兄弟姉妹、配偶者、子供、内縁の夫・妻、前夫・前妻、婚約者です。元日本人も含まれます。帰化者又は国籍取得者であるときは、帰化事項又は国籍取得時効の記載があることを確認してください。

請求できる方は下記の通りです。

  • 本人、同一戸籍(配偶者等)の方、直系尊属(父母や祖父母)または直系卑属(子や孫)
  • 代理人(本人から委任を受けた方)や法定代理人

請求先は本籍地のある(戸籍を置いている)市役所になります。
請求には戸籍の本籍および筆頭者の氏名の情報が必要で、本籍地の場所は日本人の方に聞くか、住所や住民票から推測することになります。

住民票

住民票は市区町村で管理する住民に関する記録が記載されています。実際に住んでいることが必要ですので、大学生や単身赴任者、新生活を始められた人などは住民票を移してから取得してくださいね。また、必要な住民票は同居者全員が記載された住民票となります。元配偶者の住民票(婚姻期間中)も必要です。大阪市では一通300円です。

必要な記載事項は氏名、通称名、生年月日、性別、国籍、在留資格、在留期間、在留期間の満了日、在留カード番号 (特別永住者証明書番号を含む)です。迷われたらマイナンバー以外の情報を記載してもらうようにしましょう。

また、住民票は現在の分だけでは不十分で、過去の住民票も必要になります。いつまでというと、帰化申請の住所条件(引き続き日本に○年。人によって異なる)を満たす時期まで遡ることになります。その間に引越しが無ければ構いません。

請求できる方は下記の通りです。

  • 本人
  • 本人と同一世帯の方
  • 代理人(本人から委任を受けた方)や法定代理人

請求先は住所を登録している市役所になります。

出生届記載事項証明書

出生届記載事項証明書は「出生届出書」や「出生届の写し」と呼ばれる書類で、生まれた時に市役所に提出する出生届のコピーです。出生届記載事項証明書を発行する市役所の押印等が入っています。大阪市では一通350円です。

日本生まれの方は必要となります。

請求先は出生届を提出した市役所になります。
どこに提出したか分からない場合はまず両親に確認しましょう。生まれた時に住んでいた場所が分かればたどり着けそうですね。他にも、閉鎖外国人登録原票の出生地の市役所の可能性があります。

また、「市役所に出生届を提出したのに見つからない!」というケースもあります。その場合は「いつからいつまでの期間を探したけど見つからない」という旨の一筆をもらえるよう頼んでください。この一筆を出生届記載事項証明書に代わって帰化申請時に提出します。

婚姻届記載事項証明書

婚姻届記載事項証明書は「婚姻届出書」や「婚姻届の写し」と呼ばれる書類で、結婚時に市役所に提出する婚姻届のコピーです。婚姻届記載事項証明書を発行する市役所の押印等が入っています。大阪市では一通350円です。

本人と両親の分が必要となります(結婚されている場合のみ)。

請求先は婚姻届を提出した市役所になります。
両親の分がどこに提出したか分からない場合、両親や親族に確認しましょう。第一子が生まれた場所の市役所の可能性が高いです。

また、「市役所に婚姻届を提出したのに見つからない!」というケースもあります。その場合は「いつからいつまでの期間を探したけど見つからない」という旨の一筆をもらえるよう頼んでください。この一筆を婚姻届記載事項証明書に代わって帰化申請時に提出します。

離婚届記載事項証明書

婚姻届記載事項証明書は「離婚届出書」や「離婚届の写し」と呼ばれる書類で、離婚時に市役所に提出する離婚届のコピーです。離婚届記載事項証明書を発行する市役所の押印等が入っています。大阪市では一通350円です。

本人と両親の分が必要となります(離婚されている場合のみ)。

請求先は離婚届を提出した市役所になります。
両親の分がどこに提出したか分からない場合、両親や親族に確認しましょう。離婚時期に住んでいた場所の市役所の可能性が高いです。

また、「市役所に婚姻届を提出したのに見つからない!」というケースもあります。その場合は「いつからいつまでの期間を探したけど見つからない」という旨の一筆をもらえるよう頼んでください。この一筆を婚姻届記載事項証明書に代わって帰化申請時に提出します。

死亡届記載事項証明書

死亡届記載事項証明書は「死亡届出書」や「死亡届の写し」と呼ばれる書類で、死亡時に市役所に提出する死亡届のコピーです。死亡届記載事項証明書を発行する市役所の押印等が入っています。大阪市では一通350円です。

配偶者と両親の分が必要となります(死亡されている場合のみ)。

請求先は死亡届を提出した市役所になります。

また、「市役所に死亡届を提出したのに見つからない!」というケースもあります。その場合は「いつからいつまでの期間を探したけど見つからない」という旨の一筆をもらえるよう頼んでください。この一筆を死亡届記載事項証明書に代わって帰化申請時に提出します。

その他の届書記載事項証明書

その他の届書記載事項証明書には養子や認知に関するものもあります。「養子縁組届」「養子離縁届」「認知届」などのコピーですね。届書記載事項証明書を発行する市役所の押印等が入っています。大阪市では一通350円です。

請求先は届出を提出した市役所になります。
どこに提出したか分からない場合、両親や親族に確認しましょう。事由発生当時に住んでいた場所の市役所の可能性が高いです。

また、「市役所に届出を提出したのに見つからない!」というケースもあります。その場合は「いつからいつまでの期間を探したけど見つからない」という旨の一筆をもらえるよう頼んでください。この一筆を届書記載事項証明書に代わって帰化申請時に提出します。

市・府民税 納税証明書、法人市民税納税証明書

(大阪市HPより。使用目的はその他「帰化申請」と書きます)

納税証明書(個人市・府民税)

上記画像の「必要な税目」欄の一番目の「個人市・府民税」についての説明です。

納税証明書は住民税の課税額・納付状況を確認する書類です。住民税は都道府県と市区町村のどちらからも徴収されるのですが、大阪府の場合は大阪市が市民税・府民税を一括徴収しています。大阪市では一通300円です。

請求先は請求年度の1月1日時点で住所を置いていた(住民票を登録していた)市役所です。

世帯全員の納税証明書が必要です。ただし収入が低く納税義務のない方は不要です。必要年度については帰化の事前相談で指示してもらいます。

また、帰化申請では未納がないことが必要です。未納がある場合は完納してから納税証明書を請求してくださいね。

納税証明書(法人住民税納税証明書)

上記画像の「必要な税目」欄の2番目の「法人市民税」についての説明です。これは会社を持っている方にとって必要となる書類です。

法人住民税納税証明書は大阪市では法人市民納税証明書と呼び、法人市民税の納付状況を確認する書類です。大阪市では一通300円です。

請求先は法人の事業所等がある住所地の市役所です。

いつの分が必要かは法務局での事前相談で教えてもらえます。

また、帰化申請では未納がないことが必要です。未納がある場合は完納してから納税証明書を請求してくださいね。

市・府民税 課税(非課税)証明書(総所得金額の記載のあるもの)

(大阪市HPより。使用目的はCのその他「帰化申請」と書きます)

課税証明書・非課税証明書は住民税の課税額・所得金額を確認する書類です。所得証明書とも呼ばれます。住民税は都道府県と市区町村のどちらからも徴収されるのですが、大阪府の場合は大阪市が市民税・府民税を一括徴収しています。大阪市では一通300円です。

請求先は請求年度の1月1日時点で住所を置いていた(住民票を登録していた)市役所です。

世帯全員分が必要です。いつの分が必要かは法務局での事前相談で教えてもらえます。