帰化申請には膨大な資料の提出が必要です。人によってはタウンページより分厚くなることもあります。20代・30代の会社員の方は比較的少ないですが、会社経営されていたり高齢になるにつれて書類の量は増えていきます。

また、帰化申請に必要な書類のうち、公的書類は有効期限(3ヶ月)がありますので、書類収集しているうちに有効期限が切れていることも。帰化申請はある意味で時間との戦いになることも往々にあります。

 

帰化申請の必要書類の大分類

ざっと必要書類を分けてみました。これだけ見ても14種類ありますね。

No.必要書類概要
1帰化許可申請書
2親族の概要を記載した書面
3履歴を表す書面
4帰化の動機書
5国籍・身分関係を証する書面
6住所・住所遍歴を証明する書面
7宣誓書
8生計の概要を記載した書面
9事業の概要を記載した書面
10納税関係の書面(個人)
11納税関係の書面(法人)
12運転免許の経歴に関する書面
13自宅、勤務先、事業所付近の略図
14公的年金の書類
15その他

「15種類だったら、そこまで大変じゃないんでは?」と思われるのは時期尚早です。

色付けしている「〜の書面」「〜を証明する書面」「〜を記載した書面」は、書類名ではありません。「〜を証明できる書類を出して」という意味ですので、証明書1枚を提出するだけでは済みません。

例えば、「生計の概要を記載した書面」であればお金に関する状況を説明する資料となりますが、給与証明書や通帳のコピーなど収入・資産を証明する書類や、賃貸物件に住まわれているのであれば賃貸借契約といった支出を証明する書類が必要となります。

 

帰化申請の必要書類の大変さ

帰化申請の大変さは何と言っても書類の多さです。そのため途中で挫折される方も多いんです。

ここからはなぜ大変なのかをまとめていきます。

  • 帰化申請者の状況で書類が増える
  • 書類収集先が多岐に渡る
  • 日本語訳が必要
  • 書類は2部+控えが必要

 

状況で書類が増える!〜家族関係での例〜

「国籍・身分関係を証する書面」で例を挙げてみますね。帰化される方の状況に応じて変わってきますが、法務省が例示している書類は下記の通りです。

<国籍・身分関係を証する書面>

  • 日本の戸籍謄本(父母、兄弟姉妹、夫婦、婚約者、帰化した者)
  • 本国の戸籍謄本(父母・本人)、家族関係記録事項証明書
  • 国籍証明書
  • 出生証明書
  • 婚姻証明書(本人・父母)
  • 親族関係証明書
  • その他(父母の死亡証明書など)
  • パスポート・渡航証明書(写し)
  • 出生届書(日本での戸籍届書の記載事項証明書)
  • 死亡届書(日本での戸籍届書の記載事項証明書)
  • 婚姻届書(日本での戸籍届書の記載事項証明書)
  • 離婚届書(日本での戸籍届書の記載事項証明書)
  • その他(養子縁組・認知届・親権を証する書面・裁判書)

戸籍・身分関係の書類だけでもこれだけの大量の書類が必要なんですね。

日本の戸籍謄本は家族全員分が必要です。家族全員が外国人の方であれば不要ですけどね。特別永住者であれば既に帰化した親族の方がいらっしゃるケースも多いですし、日本人と結婚した外国人の方であれば、日本人配偶者の義父母、結婚等で日本人配偶者とは別戸籍となった子供の戸籍謄本も必要になります。

また、「本国」とあるように、外国人の方の家族関係を表す公的書類も必要です。

ご家族関係が複雑な場合はそれに比例して大量の書類が必要になります。

 

書類をもらえる場所が違う〜納税関係での例〜

「納税関係の書面(法人)」で例を挙げてみますね。法務省が例示している書類は下記の通りです。

<納税関係の書面(法人)>

  • 確定申告書(控・写し)
  • 決算書・貸借対照表
  • 法人税納税証明書(その1、その2)
  • 法人事業税
  • 源泉徴収簿写し(申請者に関する部分)、納付書写し
  • 消費税
  • 法人都道府県民税(大阪だと府民税)
  • 法人市区町村民税(大阪市だと市民税)

※書類や状況によって1〜3年分が必要になります。

特別永住者の方は会社を経営されていることも多いですが、税金だけでこれだけの書類が必要です。決算関係の書類はご自身で用意できたり、顧問税理士等にお願いすることになると思いますが、納税証明書類は公的機関から最新のものを発行してもらわなくてはなりません。

公的機関が発行する書類は一箇所で取得できません。大阪市で例を挙げると、法人事業税は大阪府税事務所、・消費税は税務署、府民税・市民税は大阪市役所です。税金の管轄は「国」「都道府県」「市区町村」の3段階に別れているため、それぞれから書類を収集しなければならないんです。

しかも、ここで挙げたのは納税関係のみ。公的機関が発行する書類は他にも必要です。とある大阪で会社をしている方を例に挙げると下記の通りになります。このように日本側の書類だけでも収集先は多岐に渡ります。

役所名書類名
大阪市役所本人の市民・府民税納税証明書
配偶者の市民・府民税納税証明書
本人世帯の住民票
B市役所親族Aの戸籍謄本
C市役所親族Bの戸籍謄本
D市役所日本人配偶者の戸籍謄本
E市役所両親の婚姻届書
F市役所法人市民税納税証明書
大阪府税事務所法人事業税納税証明書
法人府民税納税証明書
税務署法人納税証明書(その1・その2)
法人消費税納税証明書(その1)

この表以外にも、本人作成書類、会社、法務局、運転運転安全センター、年金事務所、本国側役所(大使館・領事館、本国の役所)などがあります。

ちなみに、どの公的書類も「発行するための申請書」の記入・押印が必要です。また、郵送請求できるものも多く、例えば市役所に郵送請求するのであれば申請書以外に返信用封筒や定額小為替(郵便局でのみ買えます)を同封します。役所のホームページからフォーマットをダウンロード→印刷・記入・捺印→封筒2つ(送付用・返信用)用意して郵便局で定額小為替を購入して郵送。面倒臭いですね…

 

全て日本語で提出〜国籍・身分関係を証する書面での例〜

さらに、外国の書類は日本語訳が必要です。誰が翻訳してもいいのですが、公的書類って日常的に使わない言葉も多いですよね?結構大変な作業になります。

例えば韓国人の方であれば下記書類が必要で、当然全ての書類に対して翻訳が必要です。

<国籍・身分関係を証する書面(※下記は韓国領事館で入手書類のみ)>

  • 基本証明書【詳細証明書】(本人、父、母)
  • 家族関係証明書【詳細証明書】(本人、父、母)
  • 婚姻関係証明書【詳細証明書】(本人、父、母)
  • 入養関係証明書【詳細証明書】(本人)
  • 親養子入養関係証明書【詳細証明書】(本人)
  • 本国の除籍謄本(本人の出生時からのもの。場合によっては父、祖父なども)

近年はコンピュータ入力されていますので読みやすいですが、古いものだと手書きですので読めない字が出てくることも。

 

正副=つまり2部提出。そして控えも準備

法務局への提出の際、一部のものを除き2部提出します。証明書などはコピーで大丈夫です。

私が帰化申請をお手伝いさせていただいた韓国人男性の方のケースでは106部、ページ数は250を超えました。これってA4ノート5冊以上です。この方は会社1社経営、日本人配偶者と子供という家族構成ですので、会社経営者の帰化申請としては標準的なケースです。

これに本人控えも準備しました。つまり、合計約400枚。「帰化申請には大量の書類が必要で大変だから専門家にお任せください!」と行政書士達はセールストークをしますが、決して大げさに言っている訳ではないんです。これだけ書類数が多いと管理も大変ですしね。

 

必要書類一覧

法務局が一般的に案内する必要書類を一覧でご紹介します。これらの書類以外の提出が必要になる場合もありますし、もちろんこれらとは別に日本語訳も必要です。

 

自分で作成する書類(定型フォーマットあり)

分類書類名備考
帰化許可申請書
親族の概要を記載した書面親族の概要
履歴を表す書面履歴書(その1)
履歴書(その2)
生計の概要を記載した書面生計の概要(その1)
生計の概要(その2)
在勤及び給与証明書
事業の概要を記載した書面事業の概要
帰化の動機書特別永住者は不要
自宅、勤務先、事業所付近の略図居宅附近の略図等(現住所)
居宅附近の略図等(前住所)過去3年以内分
勤務先附近の略図等(現勤務先)
勤務先附近の略図等(前勤務先)過去3年以内分
宣誓書申請時に法務局から提示

 

自分が持っている書類

分類書類名備考
国籍・身分関係を証する書面在留カード・外国人登録関係カードの表裏コピー
国籍・身分関係を証する書面パスポート・旅行証の写し
履歴を表す書面生徒手帳・学生証・通知表(成績証明書)等の写し
履歴を表す書面最終学校の卒業証明書・卒業証書の写し・在籍証明書
履歴を表す書面技能・資格を証する書面の写し
生計の概要を記載した書面給与明細書(会社(法人)名の記載があるもの)、社員証の写し
生計の概要を記載した書面賃貸借契約書の写し
生計の概要を記載した書面(児童)手当通知書・公的扶助通知書の写し又は通帳の写し公的手当受給者
生計の概要を記載した書面年金証書・年金通知書の写し又は通帳の写し年金受給者
事業の概要を記載した書面営業許可書・免許書類の写し・登録書の写し法人
生計の概要を記載した書面賃貸借契約書の写し法人
納税を証する書面源泉徴収票会社員
納税を証する書面確定申告書(控)の写し(収支内訳書等添付書面全て)個人事業主
納税を証する書面源泉徴収簿の写し及び納付書の写し個人事業主
納税を証する書面確定申告書(控)の写し(添付書面全て)法人
納税を証する書面決算報告書(貸借対照表・損益計算書含む)法人
納税を証する書面源泉徴収簿の写し(本人)法人
納税を証する書面源泉徴収金納付書の写し法人
公的年金の書類ねんきん定期便、年金保険料の領収書、免除、猶予の通知、国民年金保険料納付確認書などの写し第1号被保険者(直近1年)
公的年金の書類年金事務所が発行した保険料の領収書などの写し厚生年金法に定める適用事業所の事業主(直近1年分)
運転免許に関する書面自動車運転免許証の写し(表面・裏面)

 

取り寄せが必要な書類

国籍・身分関係・住所・戸籍関係の書類は、必要な情報が載っていないことが取り寄せ後に分かることが多く、何回も役所に足を運んだり郵送請求しなければならないことも多いです。特に家族関係が複雑な場合は可能性が高いです。

また、納税関係の書類は夫婦分が必要であったり、複数年度分が必要になるものもあります。

分類書類名取り寄せ先
国籍・身分関係を証する書面国籍証明書(本人)領事館・大使館・本国
国籍・身分関係を証する書面出生証明書(本人・兄弟姉妹)領事館・大使館・本国
国籍・身分関係を証する書面死亡証明書(父・母)領事館・大使館・本国
国籍・身分関係を証する書面婚姻証明書(本人・父母・)領事館・大使館・本国
国籍・身分関係を証する書面離婚証明書(本人・父母・)領事館・大使館・本国
国籍・身分関係を証する書面親族関係証明書(本人・)領事館・大使館・本国
国籍・身分関係を証する書面父、母の申述書父・母
国籍・身分関係を証する書面出生届記載事項証明書(本人・)市役所
国籍・身分関係を証する書面死亡届記載事項証明書(父・母・夫・妻)市役所
国籍・身分関係を証する書面婚姻届記載事項証明書(本人・父母・)市役所
国籍・身分関係を証する書面離婚届記載事項証明書(本人・父母・)市役所
国籍・身分関係を証する書面その他(養子縁組・認知・親権を証する書面(確定証明書付))裁判所
国籍・身分関係を証する書面日本の戸(除)籍謄本(本人・父(養父)・母(養母)・子(養子)・兄弟姉妹・(前/内)夫、妻(子)・婚約者)市役所
住所・住所遍歴を証明する書面住民票(申請者・同居者・配偶者・元配偶者)市役所
事業の概要を記載した書面会社(法人)登記事項証明書(履歴事項全部証明書)法務局
履歴を表す書面在学証明書学校
履歴を表す書面最終学校の卒業証明書・在籍証明書学校
生計の概要を記載した書面土地・建物登記事項証明書(登記簿謄本)法務局
納税を証する書面所得税納税証明書(その1・その2)税務署
納税を証する書面個人事業税納税証明書税事務所
納税を証する書面消費税納税証明書(その1)税事務所
納税を証する書面市・府民税 納税証明書市役所
納税を証する書面課税(非課税)証明書(総所得金額の記載のあるもの)市役所
納税を証する書面法人税納税証明書(その1・その2)税務署
納税を証する書面法人消費税納税証明書(その1)税務署
納税を証する書面法人事業税納税証明書税事務所
納税を証する書面法人府民税納税証明書税事務所
納税を証する書面法人市民税納税証明書市役所
運転免許に関する書面運転記録証明書(過去5年間:3か月以内のもの)自動車安全運転センター
運転免許に関する書面運転免許経歴証明書(失効した人、取り消された人)運転免許経歴証明書
その他警察記録証明書警察署

 

韓国籍の国籍・身分関係を証する書面

分類書類名取り寄せ先
国籍・身分関係を証する書面基本証明書【詳細証明書】韓国大使館・領事館
国籍・身分関係を証する書面家族関係証明書【詳細証明書】韓国大使館・領事館
国籍・身分関係を証する書面婚姻関係証明書【詳細証明書】韓国大使館・領事館
国籍・身分関係を証する書面入養関係証明書【詳細証明書】韓国大使館・領事館
国籍・身分関係を証する書面親養子入養関係証明書【詳細証明書】韓国大使館・領事館
国籍・身分関係を証する書面本国の除籍謄本(本人の出生時からのもの)韓国大使館・領事館

 

中国籍の国籍・身分関係を証する書面

分類書類名取り寄せ先
国籍・身分関係を証する書面国籍証明書(本人) ※最後に取得中国大使館・領事館
国籍・身分関係を証する書面出生公証書(本人)中国大使館・領事館
国籍・身分関係を証する書面死亡公証書(父、母)中国大使館・領事館
国籍・身分関係を証する書面結婚公証書(本人、父母)・夫婦関係公証書(父母)中国大使館・領事館
国籍・身分関係を証する書面離婚公証証・離婚調解書(本人・父母)中国大使館・領事館
国籍・身分関係を証する書面親族関係公証書(本人を申請人として)(独生子の場合はその旨の記載のあるもの)中国大使館・領事館