外国人登録原票とは、外国人登録制度に基づいて登録された外国人情報が記載された書類です。戸籍と住民票が合わさったような情報が記載されています。平成24年7月の入管法の法改正による新しい在留資格制度の導入に伴って外国人登録制度は廃止され、現在外国人登録原票は法務省で保管されています。そのため、これ以降は何も追記されない・閉ざされたという意味で「閉鎖外国人登録原票」と呼ばれています。開示請求した場合は原本をもらえるわけでなくコピーですので「閉鎖外国人登録原票の写し」をもらうことになります。

閉鎖外国人登録原票の写しは、原則、本人が請求できる書類です。

法務省に郵送請求して入手しますが、請求してから交付まで少々時間がかかります。2〜3週間は見ておきましょう。また、死亡された方のものであれば2ヶ月以上かかる場合もあります。

帰化申請を検討される場合は、まず閉鎖外国人登録原票の写しを取得することをお勧めします。なぜかというと、過去の遍歴を確認できるから。

帰化申請には「履歴書」が必要なのですが、この書類には生まれてから今までの属性(学生・職業など)と住所遍歴、身分事項(結婚など)を記入しなければなりません。特に長年日本に住んでいらっしゃる方や幼少期から住んでいる人にとっては、当時のことを忘れた・覚えていないということもありますよね?そこで閉鎖外国人登録原票の写しで過去の状況を確認します。

また、出生届記載事項証明書など市役所で取らなければならない書類は「どこに提出したか」を知らなければ取得できません。閉鎖外国人登録原票の写しを見れば提出先の市役所を特定することができますので、必要書類の収集をスムーズにしてくれます。

※平成24年7月以降(外国人登録制度廃止後)から日本に住まわれている外国人の方には外国人登録原票は存在しません。
※特別永住者の方は必須書類ではなくなりましたが、過去の経歴が確認できますので取り寄せておくことが望ましいです。私が依頼を受けた際には必ず取得するようにしています。

請求できる方

閉鎖外国人登録原票に記載されている情報は個人情報に当たりますので、直接、下記の方から請求されない限り開示されません。委任状で知人や行政書士などの専門家に代行取得を頼むことはできないことになっています。

  1. 本人
  2. 法定代理人(親権者,成年後見人が該当。)

※下記の方については、閉鎖外国人登録原票の一部分の開示ができる可能性があります。ただし、開示される範囲は請求された方に関係する情報と「法令の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報などど」とされていますので、知りたい情報が記載されていない可能性があります。

  1. 世帯主(父母,祖父母,兄弟姉妹,その他同居人等)
  2. 本人の子・配偶者

すでに亡くなられている場合に請求できる方

死亡された方の閉鎖外国人登録原票の写しの請求は下記の方が可能です。

  1. 死亡の当時における同居の親族
  2. 死亡の当時における配偶者(内縁の夫・妻を含む。)、直系尊属、直系卑属又は兄弟姉妹
  3. 上記1又は2が未成年者又は成年被後見人の場合には、その法定代理人(親権者,成年後見人が該当。)

ただし、亡くなった方・交付を請求された方以外の方に関する個人情報が含まれている場合は、その部分を削除された写しが交付されます。

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閉鎖外国人登録原票に記載されている個人情報

外国人登録原票に記載されている情報は下記の通りです。

(1)氏名
(2)性別
(3)生年月日
(4)国籍
(5)職業
(6)旅券番号
(7)旅券発行年月日
(8)登録の年月日
(9)登録番号
(10)上陸許可年月日
(11)在留の資格
(12)在留期間
(13)出生地
(14)国籍の属する国における住所又は居所
(15)居住地
(16)世帯主の氏名
(17)世帯主との続柄
(18)勤務所又は事務所の名称及び所在地
(19)世帯主である場合の世帯を構成する者(世帯主との続柄、氏名、生年月日、国籍)
(20)本邦にある父・母・配偶者((19)に記載されている者を除く。氏名、生年月日、国籍)
(21)署名
(22)写真
(23)変更登録の内容
(24)訂正事項

廃止されるまで何度も法改正がありましたし、また、届出されていないと情報は反映されません。そのため、上記の情報が全て確認できるというわけではありません。

(法務省 ホームページより)

閉鎖外国人登録原票の写しの請求のポイント

請求先は法務省になります。請求は窓口でも郵送でもどちらでも可能です。ただし、開示されるまで1ヶ月前後かかりますので窓口に行っても申請書を提出するだけで即日もらえません。基本的に郵送請求をしましょう。

郵送請求の仕方は法務省のホームページに詳しく掲載されていますので割愛します。

請求のポイントとしては、日本で生まれた方は出生時から来日された方は来日時からのものを全て取得することです。

古くまで遡ると通常よりも交付時間はかかってしまいますが、冒頭に説明した通り過去を遡るにはもってこいの書類です。ここでは多少の時間の犠牲はやむを得ないと思ってくださいね。