生計の概要(その2)とは
帰化申請の提出書類の1つである「生計の概要(その2)」は、帰化申請者本人、配偶者、生計を同じくする親族などの不動産、預貯金、株券・社債、高価な動産を記入します。
一方で「生計の概要(その1)」という書類もありますが、こちらは直近1ヶ月の収支を元に帰化申請者本人、配偶者、生計を同じくする親族などの収入・支出・負債を記入します。
生計の概要(その2)は正・副の2部提出しますが、自分で作成する書類ですのでコピーやプリントアウトしたものを2部提出しても大丈夫です。
また、書式(フォーマット)は法務局でもらえます。
生計の概要(その2)の注意点〜生計要件の補強材料用資料。まずは資産のリスト作成〜
生計の概要(その2)は帰化申請人の生計要件を確認する書類の1つです。生計の概要(その1)では安定的な生活が送れる収支状況にあるかを示し、生計の概要(その2)では保有資産を説明することで生計要件を満たしていることを補強する材料になると考えてください。つまり、すでに生計の概要(その1)で生計要件をクリアしていると見られる状態であれば、資産が少なくてもあまり問題にならないと言えます。
では注意点をお伝えしますね。
生計の概要(その2)は生計の概要(その1)とセットになっている書類です。そのため「その1」とセットで作成することをお勧めします。また、帰化申請の1ヶ月前以内に作成しましょう(株などの時価や貯金額を記入しますし、通帳のコピーも提出します。古い内容だと再提出の可能性が高まります)。
不動産、預貯金、株などの証券は根拠となる資料を見ながら記入します。まずは資産をリストアップし、根拠となる資料が集まってから作成に取り掛かりましょう。不動産であれば法務局で取得できる登記事項証明書、預貯金は銀行、株などは証券会社のホームページなどで確認できます。
また、収入の合計と支出の合計は同額になるようにしてくださいね。支出欄の食費、その他欄で調整します。
生計の概要(その2)のサンプルと書き方
①不動産
不動産は土地・建物の移動させることができない財産のことです。法務局で取得できる登記事項証明書を見ながら記入します。
また、日本だけではなく海外にある不動産についても記入します。日本の不動産は「(在日不動産)」、海外の不動産は「(在外不動産)」と表します。
種類
建物:登記事項証明書の表題部に記載されている種目・構造を確認して記入します。
例:鉄筋コンクリート造り、木造 など
土地:登記事項証明書の表題部に記載されている地目を確認して記入します。
例:宅地 など
面積
建物:登記事項証明書の表題部に記載されている床面積を確認して記入します。
土地:登記事項証明書の表題部に記載されている地積を確認して記入します。
時価
土地・建物共におおよその金額で大丈夫です。似たような物件の価格を参考にされる程度で十分です。客観的・公的な価格で記入したい場合は、路線価を参考にしたり固定資産評価証明書の金額を記入しましょう。
建物:購入金額を参考に中古物件価格として記入します。
土地:購入金額を参考に記入します。
名義人
登記事項証明書の権利部の権利者その他の事項に記載されている権利者を確認して記入します。共同名義の場合は連名で記入します。
例:金龍作名義、金龍作・姜和子名義
②預貯金
銀行、信用金庫などにある貯金額を記入します。通帳を確認すれば全ての項目を埋めることができます。もし通帳が無い場合は銀行から残高証明書を取り寄せます。ここに記入した内容の証明として通帳のコピーか残高確認書を提出します。
※作成前に通帳記入を済ませておきましょう。
預入先
銀行名・支店名を記入します。
例:三菱UFJ銀行 〇〇支店
名義名
預貯金口座の名義となっている方の氏名を記入します。
金額
貯金額を記入します。定期預金がある場合は普通預金と合算して記入します。
③株券・社債等
証券会社等の取引報告書や取引残高報告書を確認して記載します。証券会社のホームページにログインすれば確認できます。
ゴルフ会員権もこちらに記入します。
種類
株などの証券の種類を記入します。
例:株券、国債、地方債、投資信託、社債、ゴルフ会員権
評価額
評価額は書類作成時の相場を確認します。特に株などは毎日変動して確認する時間によっても価値が変わりますので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。
名義人等
証券の名義や権利を持っている方の氏名を記入します。
④高価な動産
動産とは不動産に対して動かせる物全般を指します。ここでは「おおむね100万円以上のもの」を記載することになっています。
種類
車や貴金属など物の名称を記入します。
また、車については価値を推測しやすいように車種・年式・排気量も記入します。
例:普通自動車(クラウン2006年式3,000cc)
評価額
購入金額を参考に妥当だと思う価格を記入してください。神経質にならなくても大丈夫です。車の価格は中古車サイトを見れば参考になりますよ。
名義人等
動産の所有者(権利を持っている人)の氏名を記入します。