アーティストビザとも呼ばれる芸術ビザ(在留資格:「芸術」)ですが、実はライブやテレビ出演するような外国人タレント・アーティストのためのビザではありません。
「誰かに見せる」活動ではなく、日本で芸術の「創作活動」や「指導を行う」ための就労ビザなんです。「誰かに見せる活動」は興行ビザとなります。
また、芸術ビザは芸術分野の国際交流を推進し、我が国における同分野の向上発展のため、音楽家、文学者等を受け入れるために設けられたものです。
入管法上での芸術ビザの表現は下記の通りです。
収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動 (二の表の興行の項の下欄に掲げる活動を除く)
芸術ビザの諸条件
芸術ビザの条件概要をご紹介します。
職業 | ■創作活動を行う者 作曲家、作詞家、画家、彫刻家、工芸家、著述家、写真家等の芸術家 ■指導者 音楽、美術、文学、写真、演劇、舞踊、映画その他の芸術上の活動について指導を行う者 |
仕事内容 | 創作活動または芸術上の活動の指導 |
報酬(給料) | 必要(給料が少ない場合はビザ取れない可能性大) |
在留期間 | 3ヶ月、1年、3年、5年 |
芸術ビザが該当する仕事内容詳細
芸術ビザが該当する仕事は大きく2つに分けられます。
1つは芸術の創作活動です。作曲家、作詞家、画家、彫刻家、工芸家、著述家、写真家等です。日本語でいう「芸術家」ですね。
もう1つは、芸術上の活動の指導です。音楽や美術の指導が当てはまりますね。また、振付師、演出家、脚本家などもこれに当てはまる可能性があります。ただし、大学などの学校で指導する場合は教授ビザや教育ビザに該当する可能性が高いです。
芸術ビザの要件を満たす学歴・経験について
学歴は問われませんが、実績が必要です。
芸術家としてであれば入選等の実績が必要です。
指導者としてであれば、相当程度の実績が必要とされています。
芸術ビザの申請をする際には下記書類が必須となります。つまり、「自称」では芸術ビザは取れません。客観的に芸術ビザに該当していることを示すことが必要となります。
- 芸術上の活動歴を詳細に記載した履歴書
- 関係団体からの推薦状・過去の活動に関する報道、入賞、入選等の実績、過去の作品等の目録等芸術活動上の業績を明らかにすることのできる資料
報酬(給料)について
芸術上の活動のみにより本邦において安定した生活を営むことができると認められることが必要です。芸術活動を行うための費用と生活費をまかなえる収入が必要ということです。
また、芸術上の活動「のみ」とされていますので、芸術ビザに該当しない活動(資格外活動)での収入は含みません。
芸術ビザの在留期間
芸術ビザの在留期間は3ヶ月、1年、3年、5年です。
芸術ビザと他のビザとの関係性
芸術ビザは「仕事内容」「報酬」が揃っていなければ取得できません。そのため、1つでも要件が欠けると他のビザを検討することになります。
興行ビザ
芸術上の活動であっても、興行ビザの活動に該当する場合は興行ビザとなります。
興行ビザは芸術等を公衆に見せる活動とされていますので、ライブやテレビ出演等、いわゆるタレントやアーティストの来日時に該当するビザです。
教授ビザ
高等専門学校、大学、大学同等、大学以上の教育機関で芸術の指導をする場合は教授ビザが該当する可能性があります。
教育ビザ
小学校、中学校、高校、専修学校などの教育機関で芸術の指導をする場合は教育ビザが該当する可能性があります。
文化活動ビザ
無報酬の場合で日本に中長期滞在する場合は文化活動ビザに該当する可能性があります。
詳しくはこちら→
短期滞在ビザ
無報酬の場合で一時的に日本滞在する場合(90日以内)は短期滞在ビザです。
詳しくはこちら→
家族滞在ビザ
家族滞在ビザは就労ビザや留学ビザなどを所持している外国人方の扶養を受ける配偶者や子供のための在留資格です。
芸術ビザの申請
外国から招聘する(在留資格認定証明書交付申請)
他のビザ所持の外国人を採用する場合(在留資格変更許可申請)
在留期間を延長する場合(在留期間更新許可申請)