大学等の教育機関で教授職として外国人を採用する場合、教授ビザ(在留資格「教授」)が該当します。

基本的に、大学が外国人を講師や研究職で雇用する場合は教授ビザになると考えてもOK。一部例外となるケースがありますので、きちんと確認しましょう。
また、大学以外でも教授ビザに該当するケースがあります。

入管法上での教授ビザの表現は下記の通りです。

本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において,研究,研究の指導又は教育をする活動

教授ビザの諸条件

まずは教授ビザの条件概要をご紹介します。

職業・役職学長、所長、校長、副学長、副校長、教頭、教授、准教授、講師、助手等
※非常勤であってもOK
仕事内容研究、研究の指導、教育をする活動のいずれか1つ以上に該当する仕事
報酬(給料)必要(給料が少ない場合は他のビザになる可能性大)
雇用機関日本の大学等
在留期間3ヶ月、1年、3年、5年

教授ビザが該当する職業・仕事内容詳細

教授ビザは学長、所長、校長、副学長、副校長、教頭、教授、准教授、講師、助手等の役職・職業が当てはまるとご紹介していますが、正確に言うと役職は関係ありません。

重要なのは「仕事内容」と「雇用機関」です(雇用機関については後ほどご説明します)。大学等での仕事内容が「研究」「研究の指導」「教育をする活動」のどれか1つにでも当てはまればOKです。

「研究」「研究の指導」は研究室等での活動です。「教育をする活動」は講義などで教鞭を執ることですね。

報酬(給料)について

外国人への報酬(給料)は一定額以上必要です。教授ビザの活動内容における報酬が、少なくとも日本での安定した生活が可能な金額である必要があります。

また、報酬については雇用機関単独で考える必要はありません。他の大学の兼任ということもあると思いますが、この場合であれば報酬を合算して計算することが可能ですし、外国の機関からの報酬も含むことができる場合があります。

もし、非常勤講師などで外国人の方の報酬が少ない場合、足りない分は資格外活動(教授ビザの活動内容の範囲外)での収入で補うことは可能です。ただし、資格外活動での収入が教授ビザとしての活動の収入を超える場合は、他のビザに該当するとして教授ビザが取れない可能性があります。

雇用機関(大学等)の詳細

法律上は「本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校」となっていますが、曖昧な部分がありますので細かく説明していきます。教授ビザに該当する機関に当てはまるか確認してくださいね。

教授ビザに該当する大学・機関

教授ビザが取得できる雇用機関は下記の通りです(一部省略)。

大学・高等専門学校 4年制大学
短期大学
大学院
大学の別科・専攻科
大学付属の研究所
高等専門学校
大学と同等と認められる機関 水産大学校、海技大学校(分校を除く)、航海訓練所、航空大学校、海上保安大学校、気象大学校、防衛大学校、防衛医科大学校、職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、航空保安大学校、職業能力開発短期大学校、国立海上技術短期大学校(専修科に限る)、国立看護大学校、学校教育法施行規則第155条第1項第4号に基づき文部科学大臣が告示により指定する外国の教育機関及び国際連合大
大学共同利用機関 国立大学法人法第5条第2項及び国立大学法人法施行規則第1条別表第1に定める機関
大学入試センター
大学評価・学位授与機構
文部科学大臣指定外国大学日本校

教授ビザに該当しない大学に準ずる機関

下記の大学校に該当する場合は、教授ビザは取れません。
研究ビザや技術・人文知識・国際業務ビザ等、他の在留資格を検討することになります。

右記の大学校 各省所管の大学校(警察大学校等)
社会保険大学校、中小企業大学校、道府県立の農業大学校
株式会社、職業訓練法人、学校法人、財団法人、特定非営利法人等の設置する大学校

教授ビザの在留期間

教授ビザの在留期間は3ヶ月、1年、3年、5年です。

ただし、雇用形態が非常勤であれば1年以下の在留期間しか取得できません。

教授ビザと他のビザとの関係性

教授ビザは「仕事内容」「報酬」「雇用機関」の3つが揃っていなければ取得できません。そのため、1つでも要件が欠けると他のビザを検討することになります。

研究ビザ

報酬のある研究職に就くけれども、教授ビザに該当しない機関での雇用の場合に当てはまる可能性があります。

一般企業など、教授ビザに該当しない機関などで研究職に就く場合ですね。※研究ビザは基礎的・創造的研究に限定されます。

技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国ビザ)

報酬はあるが雇用機関の要件を満たさず、仕事内容も教授ビザに該当しない場合に当てはまる可能性があります。

一般企業など、教授ビザに該当しない機関などで研究職に就く場合ですね。※研究職での雇用の場合、研究ビザに該当する可能性があります。

文化活動ビザ

無報酬の場合で日本に中長期滞在する場合は文化活動ビザに該当する可能性があります。

また、無報酬といえども、実費の範囲内での手当てであればOKです。

短期滞在ビザ

無報酬の場合で一時的に日本滞在する場合(90日以内)は短期滞在ビザです。学会やシンポジウムへの出席等のケースが当てはまります。

教育ビザ

小学校・中学校・高等学校などで先生をする場合は教育ビザになります。

家族滞在ビザ

家族滞在ビザは就労ビザや留学ビザなどを所持している外国人方の扶養を受ける配偶者や子供のための在留資格です。

教授ビザの申請

外国から招聘する(在留資格認定証明書交付申請)

他のビザ所持の外国人を採用する場合(在留資格変更許可申請)

在留期間を延長する場合(在留期間更新許可申請)