特別永住者(在日韓国人・朝鮮人)日本人の配偶者である外国人の方などの日本との繋がりが深い方は帰化要件が緩和されます。例えば、5年の日本在住期間が必要なところ、3年などに短縮されたり、そのほかの要件が免除になったりします。

その他の外国人の帰化を「普通帰化」と表現することに対し、ここでは「簡易帰化」と表現していますが、要件が緩和されているというだけで申請そのものは普通帰化と同じくらいか、大変なケースが多いです。簡易とついているくせにちっとも簡単にならないんです…

簡易帰化は9つのパターンがあります。日本人との血縁関係はもちろんのこと、日本の長期在住歴で就労要件が緩和されるものもあります。

対象となる方 必要な日本在住歴 免除要件
日本人の子(養子を除く) 引き続き3年
日本生まれ or 両親のいずれか日本生まれ 引き続き3年
正規の在留資格を持って10年以上日本に住み続けている人 引き続き10年 就労3年
日本人と結婚した人 引き続き3年 20歳未満OK
日本人と結婚して3年以上経った人 引き続き1年 20歳未満OK
日本人の(養子を除く) 0年 20歳未満OK
生計要件免除
日本人の養子(本国法で未成年時であること) 引き続き1年 20歳未満OK
生計要件免除
日本人 0年 20歳未満OK
生計要件免除
生まれた時から無国籍で日本生まれの人 引き続き3年 20歳未満OK
生計要件免除

元日本人の子(養子を除く)

日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの

外国に帰化した元日本人の子供は住所要件が「引き続き3年」に緩和されます。

日本生まれ or 両親のいずれか日本生まれ

日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの

特別永住者(在日韓国人・在日朝鮮人)の多くに当てはまります。日本生まれの外国人の方は「引き続き3年」に緩和されます。

正規の在留資格を持って10年以上日本に住み続けている人

引き続き十年以上日本に居所を有する者

日本在住歴の長い方のために設けられた条件です。普通帰化は5年ですのでそれより長い期間ですが、就労期間3年が不要になります。

タイトルにはあえて「正規の在留資格(ビザ)」と入れてみました。不法滞在やオーバーステイの期間は計算できませんのであしからず。

日本人と結婚した人

日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの

日本在住歴3年以上の外国人の方が日本人と結婚した場合、住所要件は免除されます。配偶者ビザを取らずに日本人に帰化するということも選択肢としてあるということです。

また、能力要件(20歳以上で本国法で行為能力を有すること)の免除もあります。

日本人と結婚して3年以上経った人

日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するもの

日本人と結婚して3年以上経過した場合は、住所要件が「引き続き1年」に緩和されます。例えば結婚後に海外で2年生活した後に日本で1年以上暮らせば、この要件を満たすことになります。

また、能力要件(20歳以上で本国法で行為能力を有すること)の免除もあります。

日本人の子(養子を除く)

日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの

主に3パターンあります。これらに該当する場合は日本在住歴は問われず、帰化申請時に日本に住んでいれば要件を満たすことができます。また、子とは特別養子も含みます。

  • 親が日本人(親が日本人だが生まれた子供の国籍を外国籍としたケース)
  • 親が元外国人(既に帰化しており、自動的に日本人の子になったケース)
  • 家族一緒に帰化申請(親が許可されるのであれば必然的に日本人の子になるケース)

また、能力要件(20歳以上で本国法で行為能力を有すること)の免除もあります。

日本人の養子(本国法で未成年時であること)

日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの

子供の頃に日本人の養子になった場合は、住所要件は「引き続き1年」に緩和されます。具体的には外国人親と日本人との再婚で連れ子が日本人の養子となるケースが多いですね。注意としては大人になってから養子になってもこの要件は適用されません。

また、能力要件(20歳以上で本国法で行為能力を有すること)・生計要件の免除もあります。

元日本人

日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの

外国に帰化した元日本人が当てはまります。住所要件は免除です。

また、能力要件(20歳以上で本国法で行為能力を有すること)・生計要件の免除もあります。

生まれた時から無国籍で日本生まれの人

日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの

  • 親が日本人(親が日本人だが生まれた子供の国籍を外国籍としたケース)
  • 親が元外国人(既に帰化しており、自動的に日本人の子になったケース)
  • 家族一緒に帰化申請(親が許可されるのであれば必然的に日本人の子になるケース)

住所要件は「引き続き3年」に緩和されます。

また、能力要件(20歳以上で本国法で行為能力を有すること)・生計要件の免除もあります。