学生からの帰化申請の条件はケースによって異なります。長い人生の中、外国人の方は国籍とどう向き合っていくかがとても重要なことになります。日本をベースに人生を考えていくのであれば、学生のうちから帰化申請をすることも検討してみてはいかがでしょうか。

特に、外国人である限り、ビザ(在留資格)の問題はずっと付きまとってきます。特に就職時には就労ビザに切り替えしなければならず、就労制限のないビザ(配偶者ビザ・定住者ビザ・永住者ビザ)以外の学生さんは就労ビザに切り替えができないために希望する仕事に就くことができない可能性もありますし、外国籍であるがために就職活動も日本人と比べてハンデを背負うことになります。また、留学ビザ・家族滞在ビザの学生さんはアルバイトであっても1週間28時間の就労時間制限を受けることになります。

学生の帰化申請のパターン

帰化申請には生計条件がありますので、就職していない学生さんの場合は仕送りや両親の生計状況に左右されます。

また、帰化申請は「年齢が20歳以上で本国法によつて行為能力を有すること」という年齢の条件があります。つまり、20歳以上で母国でも成人としてみなされる年齢である必要があります。ただし、学生さんの場合は例外(簡易帰化)に当てはまる場合もあります。

そのほかにも素行条件があり、やんちゃな少年時代を過ごしている場合は素行条件が悪いとして帰化できない可能性があります。警察にお世話になったというレベルでも帰化申請に影響が生じることも。

帰化パターン① 両親と一緒に帰化

ご家族と一緒に帰化申請する場合、年齢制限は撤廃されます。そして、生計条件もありません。これは、ご両親が帰化の要件を満たして日本人になった場合、学生さんなどのその子供は「日本人の子」として簡易帰化の条件が適用されるためです。日本人の子は住所条件・生計条件が無く、年齢制限もありません。

◆POINT!

親と一緒に帰化申請すれば、学生でも帰化できる!

ただし、家族で帰化申請したとしても個人毎に審査されますので、その条件を満たしている必要があります。生計条件は免除されますが、素行条件等をクリアしている必要があります。

帰化パターン② 学生本人のみの帰化申請(日本在住10年以上)

学生さんは基本的に日本在住10年以上経過していること、20歳以上であることが必要です。

◆POINT!

小さい頃から日本に住んでいれば20歳になった時点で帰化申請できる!

ただし、「10年」は累計ではなく「連続した10年」でなければなりません。長期の海外留学していた場合は一旦リセットされて帰国後から10年経過が必要です。

また、生計条件・素行条件もクリアしている必要があります。

帰化パターン③ 学生本人のみの帰化申請(親のいずれかが日本人)

親が日本人の場合は日本人の子としてすぐに帰化申請ができます。パターン①と同じです。

◆POINT!

日本人の子であればすぐに帰化申請可能!

また、生計条件は免除されますが、素行条件等をクリアしている必要があります。

帰化パターン③ 学生本人のみの帰化申請(親も自分も日本生まれ)

親が日本人の場合は日本人の子としてすぐに帰化申請ができます。パターン①と同じです。

◆POINT!

日本人の子であればすぐに帰化申請可能!

また、生計条件は免除されますが、素行条件等をクリアしている必要があります。

帰化パターン④ 日本人と結婚した学生

日本人と結婚すると、日本在住歴3年以上であればすぐに帰化申請できます。また、日本人と海外で結婚して3年・日本在住歴1年以上でも結婚できます。基本的に学生の場合は前者の方が多いですね。

◆POINT!

日本在住歴4年目以降の学生は日本人と結婚するとすぐに帰化申請可能!

また、20歳以上という年齢制限も無くなります。結婚すると成年として取り扱われるからです(成年擬制)。18歳でも学生単独で帰化申請することができるようになります。

帰化パターン⑤ 特別永住者の学生

20歳以上の特別永住者の方は海外留学などで日本を長期出国していない限り帰化申請が可能です。

帰化申請できない学生は?

留学生として来日した学生は、在学中は基本的に帰化申請できません。帰化申請は通常5年以上の日本在住期間が必要で、さらに就労期間も直近3年間に必要となります。つまり、学生時代には帰化申請できません。

ただし、日本人の子である場合、10年以上の日本在住歴がある場合、日本人と結婚&3年以上の日本在住歴がある場合は在学中に帰化申請することができます。

おわりに

日本に帰化するということは国籍変更するということです。アイデンティティに関する事柄ですので思いつきで帰化するのはやめたほうがいいです。「日本人になるとビザの問題が無くなる」「就職活動のハンデが無くなる」というメリットだけにフォーカスするのではなく、日本人になりたい精神的な理由や日本人として一生を生きるということはどういうことなのかもしっかり考えてみてください。

ちなみに、帰化申請には動機書が必要ですし面接というステップもあります。