はじめに
日本人とベトナム社会主義共和国の方との結婚は、どちらの国からでも手続きをスタートできます。
お二人が住まわれる国から手続きをスタートされたらいいと思いますが、手続き的には日本から結婚した方が若干楽です。なぜなら、ベトナムからの結婚手続きだと完了するまでに2、3週間かかること、日本人側の書類の収集のことを考えると、その間に日本人が現地に2回は行かなければならないからです。
また、長期休暇などでベトナムに滞在中に結婚完了させようと考えている方はご注意ください。ノービザでの滞在期間は15日です。ノービザ滞在中に手続きが終わらない可能性も。
日本からの手続きだと、ベトナム人の方が日本にいなければならないシーンは1回のみです。結婚するために来日し、そのまま配偶者ビザを取得して日本に住むことも可能です。ただし、ベトナム人の方の配偶者ビザが日本の滞在期間中に取れずに一旦帰国しなければならない可能性はありますが。
※以前、ベトナムでの結婚手続きは1ヶ月くらいかかっていました。しかも、結婚するお二人に面接が!そのため、手続き中はベトナムに1ヶ月以上滞在するか、何度も日越の往復する必要があったんです。でも、2016年1月より面接がなくなり、日本人が現地に行く必要があるのは結婚が完了した時の婚姻証明書交付時のみになったそうです。結婚手続きが容易になったことで、「花嫁の輸出が始まった」と揶揄する声が出ています。
結婚条件について
ベトナムでは男性20歳以上、女性18歳以上からから結婚可能です。
また、精神疾患やHIVなどに感染していないことが求められます。重婚や同性婚は禁止。
ちなみに、ベトナムの結婚に関する法律の中に「偽装結婚」「人身売買」「商業目的」といった単語が出てきます。発展途上国あるあるになりますが、国際結婚にはどうしても金銭、労働力、営利目的等、余計なものがが紐付きやすくなってしまうんです。ビザ手続きの中で否が応でも意識させられることになりますので、頭の片隅に入れておいてくださいね。
ビザについて
ベトナムは査証免除国ではありませんので、ベトナム人の方が来日するためにはビザが必要です。
日本在住でなければ、結婚するまでは短期滞在ビザ(観光ビザ)を取ってから日本に来ることになりますが、必ず取れるものではありませんので要注意です。仮に不許可になれば半年間は再申請できません。特に、女性がベトナム人の場合はご注意ください。先ほど少し触れましたが、あらぬ疑いをかけられ、それを払拭できないためにビザが取れないことも十分にあり得ます。
一方、日本人がベトナムに行く場合は15日以内であればノービザで行けます。
日本から結婚手続きをスタートする場合(ベトナム人の方が日本在住の場合)
もっとも簡単なパターンです。
書類収集も簡単ですのでおすすめです。日本から結婚手続きをする場合は、在日ベトナム大使館/領事館でベトナム人の方の婚姻要件具備証明書を入手し、市区町村役場に婚姻届を提出、在日ベトナム大使館/領事館へ報告的届出を行います。
①ベトナム人の方の婚姻要件具備証明書を取得
必要書類を準備し、在日ベトナム大使館/領事館で婚姻要件具備証明書を入手します。
【日本人の必要書類】
- パスポート
- 住民票
- 婚姻要件具備証明書(地方法務局、本籍地のある市区町村役場で入手可能)
- 健康診断書(精神病・HIV/AIDS・性感染症など)
【ベトナム人の必要書類】
- 申請書(大使館/領事館にフォーマットあり)
- 履歴書(大使館/領事館にフォーマットあり)
- パスポート
- 出生証明書(ベトナムで取得)
- 婚姻状況証明書(独身証明書。ベトナムで取得)
- 戸籍受附帳に記載のないことの証明(日本在住の場合。日本で結婚していないこと=婚姻届を出していないことを証明する。お住いのある市区町村役場で入手)
- 現住所証明書(ベトナムで取得。または日本在住であれば住民票や在留カード)
- 健康診断書(精神病・HIV/AIDS・性感染症など)
②市区町村役場に婚姻届を提出(創出的届出)
日本の市区町村役場ならどこでも大丈夫です。戸籍反映のスピードを重視する場合は本籍地の市区町村役場に提出してください。
日本人だけでも申請可能です。
婚姻届が受理されましたら婚姻届受理証明書を入手しましょう。
【日本人の必要書類】
- 婚姻届
- 印鑑
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 戸籍謄本(婚姻届を本籍地以外の市区町村役場で出す場合)
【ベトナム人の必要書類】
- 婚姻要件具備証明書と日本語訳
- パスポートと日本語訳
- 在留カード(日本在住の方)
③ベトナム大使館/領事館で報告的手続き →国際結婚完了!
必要書類を準備してベトナム大使館/領事館に行きましょう。
結婚証明書を入手すれば国際結婚は完了です!
→必要書類:
- お二人のパスポート
- 婚姻届受理証明書
- 住民票
ベトナムから結婚手続きをスタートする場合
大まかな流れとしては、日本人側の書類を準備して、ベトナム国籍者の本籍のある区・県人民委員会へ書類提出します。
かつては書類提出後に面接があったのですが、2016年1月より廃止されています。現在、書類提出後、15日以内で婚姻登録証明書が発行=ベトナム側の結婚完了となっています。日本人がベトナムの役所に行かなければならないのは、結婚が完了した時に役所で婚姻登録証明書を受け取るだけのみになっています。
ただし、日本人側の書類をどこで収集するかで、日本人本人が現地にいなければならないシーンが出てきますので注意が必要です。例えば、日本人の婚姻要件具備証明書をベトナムにある日本大使館で入手する場合は、日本人本人の来館が必要とされています(取得した書類はベトナムのベトナム外務省領事部で認証が必要)。いやいや、現地に行かないとならないんだったら事前に日本の法務局や市役所で入手しとくよ、という話もありますが、その場合は婚姻要件具備証明書をベトナムの日本大使館で認証し、ベトナムのベトナム外務省領事部で認証が必要となって手続きが増えます。他にも、健康診断書が必要になるのですが、日本で準備した場合は日本の公証役場→法務局→ベトナムの日本大使館→ベトナムのベトナム外務省領事部で認証または証明書の発給が必要となります(他にもルートあり。また、ベトナムの病院で健康診断書を取得した場合は不要)。
つまり、日本でもしっかりと準備が必要となりますし、ベトナムでも手続きが増えることになります。
外国での手続きとなると、日本のように均一のサービスが提供されるとは限らず、窓口によって言っていることが違ったり、賄賂が必要になったり、とにかくイレギュラーなことが発生します。そうした際に本人がいることは何かと臨機応変ができますので、ベトナム側から結婚手続きを開始される場合は、できるだげお二人揃って手続きを進めるようにした方がスムーズです。
ベトナムから結婚手続きを開始するのであれば、お二人とも現地在住か、ベトナムに移住予定か、ベトナム人の方が日本に来れない場合(何らかの事情でビザが発給されない)にオススメです。
①日本人側の必要書類を集める
婚姻要件具備証明書、健康診断書の収集が大変です。日本で収集するか、ベトナムで収集するかでも労力が違ってきます。
婚姻要件具備証明書
発行機関に戸籍謄本を持っていく必要があります(本籍地は除く)。
【日本で入手する場合】
①婚姻要件具備証明書を地方法務局、本籍地のある市区町村役場で発行してもらう
※証明書には「独身であって、かつ、婚姻能力を有し、相手方と婚姻することにつき何ら法律的障害がない。」と記載してもらって下さい(通常記載される「日本国の法令の規定により婚姻可能である。」 ではベトナム側の要件を満たしません)
②ベトナムの日本大使館/領事館で「公文書上の印章証明書」(婚姻要件具備証明書に押印されている公印が真正なものであることを証明するもの。)の発給を受ける。
③ベトナムにあるベトナム外務省領事局で認証を受ける。
④地方人民委員会各区事務所でベトナム語への翻訳を取得する。
【ベトナムで入手する場合】
①婚姻要件具備証明書をベトナムにある日本大使館/領事館で発行してもらう。
※証明書には「独身であって、かつ、婚姻能力を有し、相手方と婚姻することにつき何ら法律的障害がない。」と記載してもらって下さい(通常記載される「日本国の法令の規定により婚姻可能である。」 ではベトナム側の要件を満たしません)
②ベトナムにあるベトナム外務省領事局で認証を受ける。
③地方人民委員会各区事務所でベトナム語への翻訳を取得する。
健康診断書
己の意思表示を行う能力を有し、結婚生活に支障がない旨の記載(精神病・HIV/AIDS・性感染症などではないことを診断されたもの)が必要です。
【日本で入手する場合】
①公立の総合病院(診療科目として精神科を含む病院)で健康診断書を発行してもらう。
②日本国内の公証人役場で公証を受ける。
③②の公証人役場が所属する地方法務局で証明書(上記アの公証が有効なものであることの証明書)の発給を受ける。
④日本の外務省又はベトナムの日本大使館/領事館で「公文書上の印章証明書」(上記の地方法務局発給の証明書に押印されている公印が真正なものであることを証明するもの。)の発給を受ける。
⑤日本の外務省で公文書上の印章証明書の発給を受けた場合、在日ベトナム大使館で認証を受ける。また、ベトナムの日本大使館/領事館で公文書上の印章証明書の発給を受けた場合、ベトナムのベトナム外務省領事局で認証を受ける。
⑥地方人民委員会各区事務所でベトナム語への翻訳を取得する。
【ベトナムで入手する場合】
①公立の総合病院(診療科目として精神科を含む病院)で健康診断書を発行してもらう。
②ベトナム地方人民委員会司法局での婚姻登録手続(創出的届出)
ベトナム人の方の本籍がある区・県人民委員会が登録申請窓口となります。お一人でも手続き可能です。
婚姻登録証明書が交付されましたらベトナムの結婚手続きは完了となります。申請受理後、15日以内に婚姻登録証明書が交付されることになっています。受取にはお二人で窓口に行かないとなりませんのでご注意くださいね。
【日本人の必要書類】
- 婚姻要件具備証明書
- パスポート
- 健康診断書
【ベトナム人の必要書類】
- 婚姻登録申請書
- 出生証明書など
- 健康診断書
③日本国に対して報告的届出をする →国際結婚完了!
日本国大使館/領事館または日本の市区町村役場に報告的届出(婚姻届の提出)をします。3か月以内に届出をしましょう。これで国際結婚が完了となります。
また、お二人が日本で住む場合は、処理が早くなるので日本の市区町村役場に届出をしましょう。
【日本人の必要書類】
- 婚姻届(証人欄は不要)
- 戸籍謄本(抄本)
- 身分証明書
- 印鑑(無い場合は拇印可)
【ベトナム人の必要書類】
- 婚姻登録証明書及び同和訳文
- 出生証明書またはパスポート及び同和訳文
※ご注意点
手続き内容については、弊所が確認した段階での情報です。
手続き内容が変更されている可能性や、お二人の状況によって手続き方法が変わる可能性がございます。必要書類のご確認等、結婚の手続きについては、手続きをされる役所に必ずご確認ください(ちなみに、日本の市区町村役場によっても必要書類が異なることもあります)。
弊所にお問い合わせいただいてもお答えできませんのでご了承お願い致します。
関連役所情報
大使館・各領事館には管轄エリアがありますので、お住まいがそのエリアに入っているかご確認してくださいね。
また、どこの大使館/領事館でも手続きができるとは限りませんので、事前にお問い合わせすることオススメします。
在日大使館・領事館情報
駐日ベトナム社会主義共和国大使館
〒151-0062 東京都渋谷区元代々木町50−11
TEL: 03-3466-3311
FAX: 03-3466-7652
営業中: 9時30分~12時00分、14時00分~17時00分
URL: http://www.vnembassy-jp.org/ja
在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館
〒590-0952 大阪府堺市堺区市之町東4丁2−15
TEL: 072-221-6666
営業時間: 9時00分~16時30分
在福岡ベトナム社会主義共和国総領事館
〒810-0801福岡市博多区中洲5-3-8 アクア博多4階
電話:092-263-7668
在釧路ベトナム社会主義共和国名誉領事館
〒085-0847 北海道釧路市大町1-1-10 大町ビル4階
電話:0154-44-1040
在名古屋ベトナム社会主義共和国名誉領事館
〒479-8701 愛知県常滑市セントレア1-1 第1セントレアビル6階 中部国際空港株式会社本社内
電話:0569-38-7790
ベトナムにある日本大使館・領事館情報
在ベトナム日本国大使館/h4>
住所: 27 Liễu Giai, Quận Ba Đình, Hà Nội
電話: 84-4-3846-3000
Fax: 84-4-3846-3043
営業時間: 8:30~12:00 13:30~16:45
URL: http://www.vn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
在ホーチミン日本国総領事館
住所:261, Dien Bien Phu Street, District 3,Ho Chi Minh City, Vietnam
Tel: +84-28-3933-3510
Fax: +84-28-3933-3520
URL: http://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html