生計の概要(その1)とは
帰化申請の提出書類の1つである「生計の概要(その1)」は、帰化申請者本人、配偶者、生計を同じくする親族などの収入・支出・負債を記入します。直近1ヶ月の収支を元に作成します。
一方で「生計の概要(その2)」という書類もありますが、こちらは帰化申請者本人、配偶者、生計を同じくする親族などの不動産、預貯金、株券・社債、高価な動産を記入します。
生計の概要(その1)は正・副の2部提出しますが、自分で作成する書類ですのでコピーやプリントアウトしたものを2部提出しても大丈夫です。
また、書式(フォーマット)は法務局でもらえます。
生計の概要(その1)の注意点〜作成の根拠となる資料と家族みんなの収支〜
生計の概要(その1)は帰化申請人の生計要件を確認する書類の1つです。ポイントは安定的な生活が送れる収支状況にあるか。収入が多くても赤字だと安定的とはみなされず、反対に収入が少なくても身の丈にあった生活ができていればOKです。帰化申請人本人に収入が無くても配偶者などの収入が十分にあれば生計要件はクリアすることができます。
では注意点をお伝えしますね。
生計の概要(その1)は帰化申請する前の月の1ヶ月分の収支状況で作成します。そのため作成が早すぎると作り直しという羽目になりますので、申請書類収集・作成の後半に取り掛かりましょう。また、赤字体質であれば家計の見直しをしてから取り掛かった方がいいですね。
給料については給与及び在勤証明書を元に記入します。この書類は勤務先に作成してもらう帰化申請書類ですが、帰化申請の前月に作成してもらいましょう。
※ほとんどの方は通帳でも手取りを確認できると思いますが、社宅費や寮費など、税金・年金以外の天引きがある方は給与及び在勤証明書を確認しなければ支出に関する項目が埋められない場合もありますので、弊所では給与及び在勤証明書で確認することを推奨しています。
その他については、通帳や領収書を見ながら記入していきます。
また、生計の概要(その1)は、帰化申請者だけの収支を記入するだけでなく、配偶者や生計を一にする親族についても記入します。親族についても同じ財布で生活しているなら収支状況を教えてくださいということです。また、生計を一にするとは同居は求めていませんので別々に暮らしている方の分も記入します。
仕送りしている、または仕送りしてもらっている内容についても記入します。
また、収入の合計と支出の合計は同額になるようにしてくださいね。支出欄の食費、その他欄で調整します。
生計の概要(その1)のサンプルと書き方
①日付
作成日を元号で記入します。
②収入
個人ごと、収入ごとに1行ずつ記入します。複数箇所からの収入があれば同じ氏名で複数行記入することになります。また、公的扶助金や仕送りを貰っているのであれば収入として記入します。
社長、会社役員、会社員、アルバイト・パートは給与及び在勤証明書を元に記入します。個人事業主は確定申告を元に記入します。扶養されている方も同様です。
月収(円)
前月分の金額を記入します。
給料については手取りを記入します。税金等が給料天引きされていると思いますが、手取りは実際に受け取った・振込された金額です。
種目
何で得た収入かを記入します。どこからの収入かが分かるように記入しましょう。
- 給料(㈱〇〇)
- 役員報酬(〇〇㈱)
- 給料(〇〇 パート)
- 事業収入(建物賃貸収入)
- 事業収入(〇〇)←個人事業主の方です。〇〇には屋号を入れます。
- 仕送り
- 年金
- 児童手当 など
備考
補足説明をします。
種目が給料なら「平21.1から勤務」というように勤務開始年月を記入します。給与及び在勤証明書の通りに記入しますが、会社経営者は会社の登記事項証明書、個人事業主は個人事業開業届を確認します。この場合は「昭59.8から経営」と記入します。
種目が仕送りなら「父〇〇」というように帰化申請者との関係と氏名を記入します。
③支出
支出科目の通り記入していきます。小額のものや水道光熱費などはその他にまとめて大丈夫です。
食費
1ヶ月分の食費を記入します。
住居費
家賃・共益費・管理費・駐車場代の合計を記入します。賃貸借契約書を確認しましょう。備考欄には「家賃(〇〇等を含む)と記入します。
また、社宅や寮などにお住まいで給料天引きされている場合は、すでに収入欄に差し引かれた給料を記入していますので、支出欄では「0円」とします。そして、備考欄に「社宅費〇〇円給与天引き」の要領で記入します。
※住宅ローンは返済金欄に記入します。
教育費
学校の学費等の他、保育園、幼稚園、習い事、通信教育、書籍などもここに記入します。
返済金
毎月の借金の返済金です。住宅ローン、車ローン、カードローン、教育ローン、カードローンなどです。
ただし、クレジットカード払いは含みません(内容ごとに他の支出科目に入ります)。
生命保険等掛金
生命保険などの毎月の支払い額を記入します。健康保険・厚生年金保険・国民年金保険ではなく、死亡保険、医療保険、養老保険、年金保険、学資保険や火災保険、地震保険などを記入します。
預貯金
1ヶ月の貯金額を記入します。
その他
水道光熱費、スマートフォンなどの通信費、娯楽・交際費やその他小額のものを纏めて記入します。備考欄には代表的なものを羅列し、末尾に「等」とすればOKです(水道光熱費、医療費、通信費等)。
空欄
仕送りがある場合は支出科目を「仕送り」「海外送金」などにして、備考欄に帰化申請者との関係と氏名を記入します。
他にも大きな支出がある場合は空欄に支出科目を記入してください。
④主な負債
負債とは借金です。支出欄の「返済金」の内容を保管する項目です。「何の目的で」「どこの銀行から」「現在の残高」「返済時期」について記入します。
各内容については、銀行等の借入先との借入契約書・ローン契約書で確認できます。
借入の目的
お金を借りた目的です。〇〇ローンなどと記入します。
- 自動車購入
- 住宅ローン
- 教育ローン
借入先
借入先を記入します。支店名まで入れてくださいね。
例:りそな銀行〇〇支店
残額
書類作成日現在の借金の残高を記入します。借入先に問い合わせるか、借入契約書・ローン契約書で確認または計算します。
完済予定
完済予定日を元号で記入します。借入契約書・ローン契約書で確認できます。
例:平成39年10月