※この記事は、永住許可に関するガイドライン(令和7年10月30日改訂)および入管庁の提出書類案内を前提に執筆しています。

永住ビザ(在留資格:永住者)には大きく3つの要件が課せられています。

  1. 素行が善良であること
  2. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
  3. その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

このうち「3(国益要件)」の中で、公的義務(税金・年金・健康保険など)をきちんと履行しているかがチェックされます。

公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。

特に重要なのが、申請時点で完納していても、納期限を過ぎて納めた(遅延納付)場合は原則として不利に評価されるという点です。

会社員の方は住民税が給与天引き(特別徴収)になっていることが多く、ここで大きくつまずくケースは多くありません。

しかし、無職の方・転職回数が多い方・個人事業主の方などは要注意です。

※この記事では「納税」にフォーカスして解説します(年金・健康保険は別記事で解説しています)。

納税の履行は必須

永住申請では、主に次の税金について納税状況を確認されます。

  1. 住民税(市区町村民税・都道府県民税)
  2. 源泉所得税及び復興特別所得税
  3. 申告所得税及び復興特別所得税
  4. 消費税及び地方消費税
  5. 相続税
  6. 贈与税

「自分は関係ない税目だと思う」という方でも、入管の提出書類として求められるため、基本は必要になると理解してください。

また、1の住民税に関しては納税のタイミングも審査対象です。「 適正な時期に納めていることを証明する資料 」も提出が必要ですので、支払い遅延があると許可率が下がることをご理解ください。

2~6に関しては納税のタイミングまでは問われません。申請のタイミングで納税ができていれば大丈夫です。

いつからの税金が審査対象?

納税状況の審査期間は税目によって、また、あなたが適用される要件によって異なります(適用される要件は別記事でご紹介)。

  • 1の住民税・・・直近1年間 or 直近3年間 or 直近5年間
  • 2~6の税・・・申請時までの全て

住民税に関しては市役所で発行される課税証明書・納税証明書を提出します。

2~6の税金に関しては税務署で発行される「納税証明書(その3)」を提出します。見慣れない税目が並んでいますが、例えば源泉所得税や消費税などは個人事業主が対象となり得る税目です。相続税や贈与税はある程度の金額の相続や贈与があった場合に係る税金です。「私には関係のない話」という方でもこれらの納税証明が必要になります。

住民税は「期限どおりに払った証明」も見られます

住民税については、完納だけではなく、遅延納付がないこと(期限内納付)も見られます。
そのため、該当する方は「通帳の写し」「領収証書」などの提出が必要になります。

※直近◯年間の全期間で住民税が特別徴収(給与天引き)なら、領収証書等(期限内納付の疎明)は不要です。
※一方で、直近◯年間の中に特別徴収ではない期間がある方は、その期間分について提出が必要になります。

国税(納税証明書その3)の考え方

国税は、税務署で取得する**納税証明書(その3)**で確認されます。
これは「証明日現在、未納がないこと」を証明する書類なので、対象期間の指定は不要という整理です。

注意点

無職の方/給与天引きではない方(普通徴収の方)

住民税を自分で納付している方(普通徴収)は、期限内納付の証明資料が揃わないことが一番の落とし穴です。

・納付書払い → 領収書を必ず保管
・口座振替 → 通帳(または取引履歴)の写しを必要年数分そろえる

「後でまとめて払った」は、申請上かなり不利になりやすいので注意してください。

転職が多い方

年の途中で勤務先が変わると、住民税が特別徴収→普通徴収に切り替わる月が出ることがあります。
この場合、その月の領収書/通帳履歴が必要になります。

自営業者の方

未納がある場合は、まず完納が前提です。
加えて、住民税に普通徴収が含まれるケースが多いので、期限内納付を示す資料を年数分そろえる意識で準備してください。

税金に関する提出書類(住民税・国税)

(1)住民税

A:直近◯年分の住民税の
・課税(または非課税)証明書
・納税証明書
(※「1年間の総所得」と「納税状況」の両方が分かる形で取得します)

B:直近◯年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料
・通帳の写し
・領収証書 等

※直近◯年間に住民税が特別徴収されていない期間がある方は、その期間分について提出してください。
※直近◯年間の全期間が特別徴収の方は、Bは不要でAのみで足りる整理です。
※市区町村で直近◯年分の証明書が発行できない場合は、発行できる最長期間分を提出する扱いがあります。

(2)国税

・納税証明書(その3)
(源泉所得税、申告所得税、消費税、相続税、贈与税の5税目分)

※納税証明書(その3)は「証明日現在に未納がないこと」を証明するものなので、対象期間の指定は不要という整理です。


書類の取り方(役所・税務署・e-Tax)

住民税(市区町村役所)

・課税(非課税)証明書、納税証明書を取得
・普通徴収がある方は、領収書/通帳履歴も必要年数分そろえる

国税(税務署)

・納税証明書(その3)を取得
・e-Taxを使って、請求から受取りまでオンラインで行うことも可能です(スマホ・PC対応)