前科があったり交通違反が多いと永住ビザが取れないと聞いたことがあると思います。

これはほぼ正解です。永住権は善良な市民にしか与えられないルールです。

ただし、それでも一部の方は永住権獲得の可能性はあります。過去を反省した外国人の方にはチャンスがあります!

◆永住許可に関するガイドライン◆

■素行が善良であること

→法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。

→罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。

■その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

◆素行善良要件の概要◆
・法律違反者は素行が悪い外国人として見なします
・交通違反は軽微なものを数回なら永住許可の可能性あり
・犯罪後、一定期間経過すれば永住許可の可能性あり

素行善良要件とは?

「素行」とは「日常の行い」ということです。「日常の行いが良い」→「悪いことをしていない」ことが永住ビザの要件になっているんです。そして、悪いことと言えば犯罪ですよね。交通違反もそうです。実際に有罪判決や刑罰・罰金が無くとも法律に違反することは悪いことです。

悪いことの程度によってはすぐに永住許可申請することが可能ですし、反対に全く不可能なケースもあります。いくつかケースを挙げてみますね。

  • 1点の交通違反など軽微なものが5回以下であれば永住が許可される可能性は十分あります。
  • 軽微な交通違反が頻繁にある場合は、永住は許可されない可能性が高いです。
  • 禁固刑や懲役刑、罰金を受けた場合は一定の条件を満たさない限り永住は許可されません。
  • 刑罰を受けなくても、逮捕歴が複数回あると永住が許可される可能性は低いです。
  • 資格外活動の就労時間違反があると永住が許可される可能性は低いです。

軽微な交通違反がある場合

・1点の交通違反など軽微なものが5回以下であれであれば永住が許可される可能性は十分あります。

・軽微な交通違反が頻繁にある場合は、永住は許可されない可能性が高いです。

まずこちらの2点について。

永住ビザは総合的に審査されますので、反則金で済む程度の交通違反であれば許可される余地は十分あります。ただし頻繁に交通違反がある場合は不許可の可能性が高いです。

罰金、禁固刑、懲役刑がある場合

禁固刑や懲役刑、罰金を受けた場合は一定の条件を満たさない限り永住は許可されません。

「永住許可に関するガイドライン」には「罰金刑や懲役刑などを受けていないこと」とあります。つまり、罰金、禁固刑、懲役刑を受けていると永住ビザは許可されません。この罰金、交通違反も含まれますのでご注意ください。飲酒運転、スピード違反(一般道30km/h、高速道路40km/h以上)、無免許運転などは罰金刑です。

逮捕歴がある場合

刑罰を受けなくても、逮捕歴が複数回あると永住が許可される可能性は低いです。

刑罰って裁判を経て有罪判決となって初めて受けるものです(交通違反の罰金は例外)。そのため、捕まっただけだと大丈夫と考える方もいらっしゃいますが、逮捕歴は警察に残ります。この逮捕歴は「前歴」と呼ばれるのですが、これが何回もあるとアウト。万引きは逮捕されても釈放というケースが多いですが前歴はついています。万引きで複数回捕まっている場合は永住許可されない可能性が高いです。

資格外活動違反がある場合

資格外活動の就労時間違反があると永住が許可される可能性は低いです。

永住権は外国人の方に対する最大の規制緩和ですので、他の法律以上に外国人を法管理する入管法の遵守が求められています。例えば、家族滞在ビザの方は資格外活動許可を得てアルバイトしているケースもありますが、この場合は就労時間制限(週28時間の労働時間の制限)を守っているかも非常に重要になります。

過去に禁固刑・懲役刑・罰金があった場合は?時を待つ。

禁固刑・懲役刑・罰金があったということは、厳しい言い方になりますが「前科持ち」ということです。

前科持ちは永住ビザを取れないという話もありますが、実際はそんなことはありません。一定の年数が経過すれば永住ビザ取得できる可能性が生まれます。

  • 懲役・禁錮:10年経過
  • 執行猶予:5年経過
  • 罰金:5年経過

実刑を受けた10年後、執行猶予期間・罰金刑5年後以降であれば永住ビザの審査の土俵に上がることが可能です。

非行少年・少女について

子供も含めて永住許可を試みる方も多いですが、お子様が非行少年・少女の場合は注意してください。

少年法による保護処分中のお子様は永住ビザは許可されません。

おわりに

ご自身・またはご家族が永住ビザを取れる条件が揃っているかどうか分かりましたでしょうか。ビザを取得したときに書類集めや理由書作成に苦労した方もいると思いますが、永住ビザの審査は厳しいため、他のビザよりも取得するのは難しいです。

ご自身で調べて取得される方も大勢いらっしゃいますが、行政書士の専門家に依頼した場合と比べて許可率は圧倒的に低いです。条件は満たしているはずと思っても他の条件を見落としていたり、「条件を満たしていることの証明」が不十分だったり理由は様々です。審査側である入国管理局も一つ一つ親切に教えてはくれません。

永住ビザ取得に必要な永住許可申請は結果が出るまで半年前後かかります。不許可になってもすぐに再申請はできますが、審査期間を考えれば年に1、2回しか挑戦できません。また、その間にご自身の状況が変わってしまって永住ビザの条件を満たせなくなることもあり得ます。

確実に永住ビザを取得したい方は、ぜひ弊所までお問い合わせくださいね!ビザの専門家が永住権獲得のお手伝いをさせていただきます!