永住ビザをはじめ在留資格の取得・変更・更新(延長)の申請は行政書士が代行申請できます。しかし、行政書士に報酬を支払わなければなりませんし、その報酬は数万円単位になり決して安いものではありません。
しかし、行政書士というプロに依頼するとたくさんのメリットがあります。ここでは自力で申請することと対比しながら解説していきますね。
行政書士に依頼すると何をしてくれる?
永住ビザ取得には永住許可申請をしますが、その作業を一覧でまとめてみました。右欄は行政書士に依頼した場合です。
自分で申請 | 行政書士に依頼 |
永住ビザの要件を満たしているか確認 | ◎ |
申請時期を決める | ○ |
必要書類をリストアップする | ◎ |
役所で書類を集める | ○ |
勤務先から書類を集める | × |
自分が保管している書類を用意する | × |
永住許可申請書の作成 | ○ |
永住理由書の作成 | ◎ |
入国管理局へ申請 | ○ |
追加書類の対応 | ◎ |
許可→入国管理局へ新しい在留カードの受取に行く | ○ |
不許可→入国管理局へ不許可理由の確認に行く | ◎ |
◎大きなメリットあり ○メリットあり ×行政書士はできない
永住ビザの要件を満たしているか確認
一番重要な作業です。永住ビザは不許可率が40%を超えています。上手に申請書が作れなかったという理由もあると思いますが、これだけ多くの不許可が出ているということは永住ビザの要件を満たしていないまま申請してしまっているということです(永住ビザの許可率について詳しくはこちら)。
ビザ専門の行政書士であれば、永住許可要件を満たしているか判断できますので安心して申請できます。
また、永住許可要件を満たしていなくても、「こうすればすぐに申請できます」「あと〇年待ちましょう」という具体的なアドバイスも可能。コンサルティングができますので許可率を高めることが可能です。
申請時期を決める
永住ビザの申請は条件が整っていればいつでも可能です。ただし、ビザの更新時期や決算期、納税証明書の発行時期を考慮したほうが無駄な労力を省くことができます。
基本的には申請した時期に申請すればいいのですが、その時期であれば「こう動くべき」というノウハウが専門家にはありますので、ビザ専門の行政書士に依頼すれば効率よくビザ申請を進めることができます。
必要書類をリストアップする
永住許可申請の必要書類は入国管理局のホームページに公開されています。しかし、これは最小限の書類です。一人一人の状況ごとに必要書類は変わりますので自分で申請する場合はリストアップ作業も一苦労。「これは出した方がいいかな?」と迷いますし、そもそも用意すべき書類に気づきません。
ビザ専門の行政書士であれば最適な必要書類をリストアップ可能です。書類不足による不許可も最大限に回避することができます。
役所で書類を集める
永住許可申請では役所から公的書類を集めなければなりません。役所ごとに発行に必要な申請書の形式は異なりますし、そもそもどこで発行されるか調べることから始めなければなりません。
行政書士のサービスの1つに市役所・区役所、税事務所、税務署、法務局から必要書類の代行収集があります。有料・無料は事務所によってそれぞれですが、時間・労力の削減になりますね。
勤務先から書類を集める・自分が保管している書類を用意する
自分で収集しましょう。
永住許可申請書の作成
永住許可申請書の作成はそれほど難しくありません。過去に申請した在留資格の変更や更新をしたことがあると思いますので、それほどストレス無く作成できると思います。
永住理由書の作成
実は永住ビザの申請の必須の書類ではありません。私は依頼を受けたときは必ず作成しますし、専門家で作成しない人はいないと思います。
というのも、申請書や必須とされている必要書類のみの提出では、その人がどうして永住権を取りたいか読み取れませんし、条件を満たしているかもわかりづらいです。また、許可に不利な状況での申請をする場合は、きちんと理由を説明しなくてはなりません。
また、何でも書けば良いというものではなく、正確に伝えること、誤解を招くことを書かないことに注意が必要です。
永住許可に精通している行政書士に依頼すれば、「許可されるべき申請であること」を入国管理局に伝えることができる理由書を作成できますので、許可率を上げることが可能になります。
入国管理局へ申請
永住許可申請は入国管理局に行かなくてはなりません。申請受付時間は平日の9時~16時です。基本的に少し都心部から離れた場所にありますし、混みあっている場合もありますのである程度の時間を割かなくてはなりません。
申請取次資格のある行政書士は申請の代行も可能ですので、平日は仕事などで忙しい方は時間と労力を削減することができます。
追加書類の対応
永住許可申請書を提出して結果が出るまでに追加書類の提出を入国管理局から求められることもあります。追加書類を求められるということは、「永住許可要件を満たしているか判断できない」という意味ですので、慎重に対応する必要があります。
また、求められている書類が現にあればいいですが、存在しない場合もあります。その場合は代替書類を用意するなどの対策が必要です。
永住ビザ専門の行政書士に依頼すれば、追加書類に対するノウハウも持っていますので、仮に追加書類が用意できないものであったとしても対応が可能です。また、追加書類に関しての入国管理局とのやり取りも本人に代わって行うサービスも実施しています。
許可→入国管理局へ新しい在留カードの受取に行く
永住ビザの申請が許可されましたら通知が届きます。そして、新しい在留カードを受け取りに入国管理局へ訪問しなければなりません。つまり、平日の日中にもう一度行かなくてはならないということ。
行政書士に依頼すれば代わりに受け取りに行ってもらえますので時間と労力の削減になります。
不許可→入国管理局へ不許可理由の確認に行く
永住ビザが不許可になっても通知が届きます。その通知を受け取ったことで永住権を諦めてしまっても構いませんが、再度チャレンジする意志があるのであれば、不許可理由を確認しましょう。確認方法は電話ではなく入国管理局に行って直接聞くことになります。
また、不許可理由の確認はそれほど簡単ではなく、自分では正確な不許可理由を聞き出すことができないかもしれません。
永住ビザの申請代行を依頼すれば不許可理由まで確認するサービスが盛り込まれているところがほとんどだと思いますので、しっかりと対策を練った後に再挑戦することができます。
不許可理由になった時に何をすればいいのかについてはこちらをご覧ください。
行政書士に依頼するメリットをまとめてみました
先ほどは永住ビザ申請の手順ごとにご自身の負担と行政書士に依頼するメリットをお伝えしましたが、総合的な視点で改めてメリットをお伝えしますね。
永住ビザの許可率が高まる
永住ビザの許可率を上げるためには、以下の3つのポイントが重要です。
- 永住許可要件を満たしていること
- 提出書類
- 永住理由書
いずれも専門家ならではのノウハウが要求される部分であり、一般の方では経験も無く難しい領域です。専門家が依頼者からヒアリングし、コンサルティングをして初めて永住許可要件を満たすことができる方も多いですしね。
許可が早く出やすい
依頼者視点では「許可が早く出る」ということですが、審査側支店では「審査がスムーズに進む」ということです。追加書類を求められるということは審査が一時中断することですし、内容が読み取りにくい申請書類では余計な調査などで時間を割かれるかもしれません。
専門家が永住ビザの代行申請しても追加書類は求められますが、一般の方よりは圧倒的に少ないです。それはノウハウがあるため、あらかじめ先回りして追加書類を求められないように工夫しているからです。
不安に対するストレスの低減
永住ビザの要件を100%理解していれば不安なんてないかもしれません。でも、それは法律の話ですので難しいですよね。しかも必要な要件は十人十色ですし、審査側に裁量が認められていますので尚更です。
専門家は依頼者の状況に応じて類型化、つまりパターン化して把握していますので、精度の高い判断が可能です。きわどい状況でない限りは「大丈夫ですよ」と言ってもらえると思います。
労力・時間をアウトソーシング
永住権獲得には労力も時間も相当費やすことになります。しかもよく分からない中で手続きを進めることになりますので、調べるのにも時間がかかりますし間違って認識してしまうこともあります。
行政書士にアウトソーシングしてしまえば負担は圧倒的に減ります。例えば、負担が最大限削減されるプランで依頼をすれば、依頼者の負担は次の2点のみです。
- 行政書士と打ち合わせ、必要書類の提出
- 自分で取得しなければならない書類の収集
要点さえ把握しておいて、あとは行政書士にお任せです。
入国管理局にへ訪問不要
先ほどのアウトソーシングとも被りますが、入国管理局に訪問不要になるというメリットも大きいです(行政書士事務所によっては依頼者が訪問)。平日に2回も入国管理局に行かなくてはなりませんので、平日に仕事をされている方であれば仕事を2回休まなくてはなりません。
行政書士に時間を割かなくてはなりませんが、仕事終わりや休日に行政書士へ相談等をしてしまえばその問題も解決しますね。