弊事務所にもよくあるんですよ、この種の問い合わせ。
正直なところ、お客様の知りたい答えを出せないことが多いです。理由は、私共が手続き先ではないから。
まず、手続きって全世界統一ではないんです。これは当然ですよね。国ごとに法律が変わりますし、国際結婚で良く耳にする婚姻要件具備証明書1つ見ても名称が違う国があります。そして、日本の市役所でも必ず同じ書類を求めてくるわけではないんです。
というわけで、様々な国籍を取り扱う私共としては即答できかねますのでご容赦くださいませ。
※ビザについては大丈夫です!国際結婚の方法が種類がありすぎてちょっと…
結婚手続き概要
国際結婚は基本的にお互いの国で結婚手続きが必要です。自分の国と、相手の国の両国に結婚を認めてもらうためです。
そして、国際結婚手続きは大きく4つあります。
①日本国内で完結
②相手国内で完結
③お互いの国で手続き
④第三国で完結
①、②は、その国の方式に則って結婚し、もう一方の国に対しては大使館・領事館で手続きをすることになります。例えば、日本の市役所に婚姻届を提出し、在日大使館にも手続きをすることなどです。
③のお互いの国で手続きとは、まず一方の国で結婚をし、その後にもう一方の国に渡り、その国でも結婚手続きをします。例えば、アメリカで結婚した後、日本に渡って市役所に婚姻届を提出することが挙げられます。
④の第三国で完結とは、お互いの出身国ではない国で結婚することです。例えば、オーストラリアにある韓国領事館で結婚し、同じくオーストラリアにある日本領事館で結婚手続きをすることなどです。できない国も多いので、この方法で結婚しようと考えている方は注意が必要です。
国際結婚手続きはどこからするの?
国際結婚をする際に、まず疑問にあがるのが「どこから」問題です。2カ国で結婚手続きが必要なことはみなさんご存知なのですが、「どこから」となると明確に答えられる方は少ないです。
となると、少ない情報に惑わされて右往左往してしまいます。
と言いつつ、私共も明確には答えられない問題です。
国ごとに手続き方法が違いますし、その国独自の慣習や文化というものがありますので、正直に言えば断定が難しいです。
また、結婚するお二人の状況にも左右されますしね。
ということで、あくまで一般的な見地からのお話にはなってしまいますが、私からのアドバイスとしてはこちら。
①住んでいる国から結婚手続き
結婚手続きは自国、相手国の2カ国で手続きが必要ですが、結婚手続きで大変なのは初めの結婚手続き。これを創設的届出と言います。そして、後の手続きを報告的届出と言います。
結婚を創る手続きをして、そして報告をする。2カ国での結婚手続きは先・後で結婚手続きの意味合いが異なるんです。
これを聞いて、どう思いましたか?「創設的」の方が難しそうに聞こえませんか?
これは感じ取った通り、創設的届出の方が難しいです。
書類集め、結婚式実施、待機期間etc…と、国ごとに違いはありますが、お二人の結婚を世界で初めて認めることになりますので、結婚成立するためには時間・お金・労力が必要になることが多いです。
一方、報告的届出は簡単なケースが多く、極端な例では「何もしなくてもいい」という国もあります。
ということで、創設的届出にパワーを使えることが可能な国から結婚手続きをすることがベストです。
住んでいる国から結婚手続きをすることをお勧めします。
②住む国から結婚手続き
お互いのどちらかの国で住むということが前提です。住む国で創設的届出(結婚手続き)をするということは、その国の役所等で色々と情報を仕入れながら手続きを進めていくことになります。
これが後々、役に立つんです。国際結婚は結婚してからも大変です。
お二人の関係というのはもちろんそうですが、その国で住むための事務手続きもお二人の国籍が異なることで煩雑になるんです。出産や社会保障、そしてビザ。
結婚後にも様々な事務手続きがありますので、慣れていて損なことはありません。
また、結婚で準備した書類は他の手続きでも必要になることも多いですからね。
③結婚のハードルの高い国からは避ける
世界には、結婚手続きをスタートしてから結婚成立まで1カ月以上もかかる国もあります。しかも、スタート時、成立時、またその間にも本人が役場に行かなくてはならないことも。
お二人がその国に住んでいれば可能ですが、遠距離恋愛中だと大変です。可能であれば避けた方がいいですが、ビザの関係で避けられないこともあります。
例えば、ビザが取りにくい国籍の方。日本人が海外旅行でビザが取れないという話はあまり聞きませんが、ビザが取れなくて日本旅行でさえ難しい国籍の方もいらっしゃいます。
そうした国籍の方と結婚する場合は、お相手の国から結婚するしか方法がない場合もあります。
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結婚手続きの問い合わせ
結婚手続きをどこからするか決める前に、判断材料の収拾の意味も含めて問い合わせをしてみましょう。
また、問い合わせをする人は、日本の機関に問い合わせする場合は日本人が、外国の機関に問い合わせする場合は外国人の方がすべきです。一部の国の大使館・領事館では同国籍の方の問い合わせしか受け付けないということも。
外国での手続きの場合は、お相手の方の親族・友人にも協力をお願いしましょう。窓口は、日本の場合は市区町村役場の戸籍課、大使館・領事館は領事部になることが多いです。
また、国際結婚ではどのような結婚手続きを選択しようが、在日・在外を問わず大使館・領事館とのやり取りは付いて回ります。申請だけではなく、各種証明書の発行やパスポート発行、届出etc…
大使館・領事館を上手に使えれば国際結婚関係の手続きをスムーズに行うことができると思います。
※冒頭申し上げた通り、日本の市区町村役場でも、言うことが変わることがあります。必ず、手続き予定の役場に問い合わせするようにしましょう。
※外国の機関は、日本の役場ほど丁寧さは期待できないことが多いです。答えが適当だったり、賄賂が無ければ手続きがなかなか進まなかったり。そういう意味でも、お相手の方の親族や友人を頼った方がスムーズです。
①日本国内で結婚を完結する場合の問い合わせ先
→日本人側:婚姻届提出予定の市区町村役場(日本)
→外国人側:出身国の在日大使館・領事館(日本)
②相手国内で結婚を完結する場合の問い合わせ先
→日本人側:相手国内にある日本大使館・領事館(外国)
→外国人側:婚姻手続きするための市役所(外国)
③お互いの国で手続きの問い合わせ先
→日本人側:婚姻届提出予定の市区町村役場(日本)
→外国人側:婚姻手続きするための市役所(外国)
④第三国で完結の場合の問い合わせ先
→日本人側:第三国内にある日本大使館・領事館(外国)
→外国人側:第三国内にある相手国の大使館・領事館(外国)
ビザ(在留資格)の問い合わせ
国際結婚とビザ(在留資格)はセットですが、手続き先が異なります。日本であれば、結婚は市区町村役場ですが、ビザは入国管理局での手続きとなります。ということで、問い合わせはお住いの地域を管轄する入国管理局となります。
また、申請取次の資格を持った行政書士が、本人の代わりにビザ(在留資格)申請が可能です。
入国管理局と申請者の間に入っての仕事をメインにしていますので、こちらも問い合わせ可能です。
入国管理局の問い合わせ窓口は大変混み合っており、電話もなかなか繋がりません。
そのため、自分たちだけで解決することが難しい場合もあります。
そういう意味では、初めから行政書士へ問い合わせ・申請の依頼をしていた方がスムーズに運びますし、配偶者ビザの不許可リスクも下げることが可能ですね。
※一部の行政書士事務所では、相談を有料としている場合があります。弊所では今の所無料でご相談をお受けしております。
番外編:海外渡航のビザの問い合わせ
海外渡航用、もしくは居住用のビザは、その国の大使館・領事館もしくは日本で言えば入国管理局にあたる機関が発行します。
つまり、外国の機関です。
たまに弊所に外国機関に対する申請手続きの代行のお問い合わせをいただくのですが、お断りさせていただいております。海外渡航のビザについては、渡航先の在日大使館・領事館や、旅行代理店がビザの窓口になります。
※行政書士は日本の役所に対して仕事をしている士業です。