外国人の方がビザの種類によって様々な制約が課せられています。
その制約の一つが就労制限です。
ただし、配偶者ビザ(日本人の配偶者等、永住者の配偶者等)・定住者ビザ・永住者ビザを所持していればその制限は無くなりますので、外国人本人にとっても、雇用側にとっても自由が効くビザなんです。
日本で外国人が仕事に就くには
外国人の方が日本で仕事をするには、結構ハードルが高いんです。
基本的に就職できる職種はこれまでの経験に左右され、仕事に関係する大学卒業、実務経験10年以上など、かなり厳しい制限があります。
でも、これらの制限は雇う側=企業が作った制限ではありません。
国が制限をかけているんです。
日本は外国人の居住については鎖国的な政策をとっています。外国人旅行客に対してはウエルカムな政策ですか、「日本に住む」ためのビザはかなり厳しい条件を満たさなければ許可されず、出稼ぎ目的での来日者を制限しています。
話を戻しますね。
日本で働くための外国人の方の要件
先ほど挙げた大卒や実務経験などの要件が必要になるのは、働くためのビザを取得する場合です。技人国ビザ(ぎじんこくビザ。技術・人文知識・国際業務ビザの略)、企業内転勤ビザ、技能ビザなどが該当します。
これらのビザは一般的に就労ビザと総称されています。
その要件の1つには一定の学歴や経験が必要とされ、かつ、仕事内容とリンクしている必要があります。
つまり、営業畑や技術職の人が、何の経験も無しに経営・マーケティングなどの仕事には就くことができません。
また、中国人の方が中華料理店のコックをしたくても、中国でその経験が10年以上なければなりません。
ブルーカラー的な職種に対する就労ビザは?
また、先ほどご紹介した就労ビザの仕事に共通しているのは、それなりの知識・技術・経験が求められる職種です。ホワイトカラーとも言えますね。
反対に、ブルーカラー的な肉体労働・単純労働のビザは何と言うと、技能実習ビザしかありません。このビザは技術習得するために期間限定で日本で働けるビザであり、海外から技能実習ビザを取得して来日し、1〜5年で帰国します。また、働く場所も農場や工場などに固定されています。
また、海外であれば、出稼ぎで他国の建設現場などで肉体労働に勤しむ外国人もいらっしゃいますが、日本ではそうした働き方をする目的の就労ビザはありません。
そして、短期滞在ビザはそもそも仕事ができません。
つまり、日本は出稼ぎ労働者を受け入れていないんですね。
あ、単純労働をもう少し具体的に紹介しておきます。
語弊を恐れずに言えば、「アルバイトでもできる仕事」です。
例えば、コンビニの店員、レストランのスタッフ、配送、工場のライン、農場・工事現場などでの力仕事などなどです。
じゃあ、外国人の店員は何者?
都市部では特に顕著です。本当によく見かけます。
コンビニや飲食チェーン店の店員は外国人の方が多く働いているケースも増えました。
「就労ビザでは就けない仕事なのに、なぜ?」
と思われるでしょうが、これらの外国人たちは仕事目的のビザは持っていません。
持っていると推測されるビザはこちらです。
- 留学ビザ
- 家族滞在ビザ
- 日本人の配偶者等ビザ
- 永住者の配偶者等ビザ
- 永住者ビザ
- 定住者ビザ
町中で見かける若い外国人店員のほとんどは、留学ビザですね。留学ビザは、そのままではバイトなどをすることができません。あくまで勉強目的での来日許可ですので。とは言え、学生って結構時間もありますし、富裕層以外は学費の問題もあります。
そこで、留学ビザについては、申請をすればバイトなどができるようになります(資格外活動許可と言います)。ただし、週28時間の時間制限があります(長期休暇中は1日8時間までに延長)。よく、この時間制限を守れずに留学生はもちろん雇用側も捕まっていますのでご注意ください。
他のビザについても見ていきましょう。
家族滞在ビザは、留学ビザと同じように資格外活動許可を取れば、週28時間を限度に仕事に就くことができます。
ただし、注意点が1つ。
家族滞在ビザは、「誰かと一緒に来日した外国人」の方に与えられるビザで、その方の被扶養者です(養われている人)。例えば、就労ビザで日本に来た外国人の方の配偶者や子供などです。扶養されていることが条件ですので、扶養を外れるくらい働いてしまうとビザが取り消しされてしまう可能性がありますので注意してください。
また、留学ビザ、家族滞在ビザでは風営法関連の仕事には就くことができません。パチンコ・パチスロ店、バー、スナック、風俗などで働くことは禁止されています。
ここから本題。日本で働き放題のビザ
残る4つのビザ、これらには就労制限はありません。
- 日本人の配偶者等ビザ
- 永住者の配偶者等ビザ
- 永住者ビザ
- 定住者ビザ
つまり、これらのビザをお持ちの方はどんな仕事にも就くことができます(違法行為はそもそもダメですよ。捕まったら国外退去…)。
バイト採用する際の雇用側の視点
ざっくりとまとめて見ました。
バイトなどで雇う分には、条件さえあれば日本人と同じように雇用することができます。
留学ビザ・家族滞在ビザ
→資格外活動許可を持っているか確認する(持っていなければ本人に許可を取らせる)
→資格外活動で指定された労働時間(例:週28時間など)を遵守する
日本人の配偶者等ビザ、永住者の配偶者等ビザ、永住者ビザ、定住者ビザ
→在留カードを確認するだけでOK
※労働法を遵守する限り、仕事内容・労働時間に制限はありません。
就労ビザ
→単純労働では雇うことができない
→基本的に、就労ビザをお持ちの外国人の方をバイトで雇うことはできません。
※就労ビザの内容とバイトの内容がマッチしていれば可能。
※就労ビザの内容とバイトの内容がマッチしていない場合で仕事継続している場合、資格外活動として雇用可能。
その他のビザ
→資格外活動許可を持っているか確認する
→持っていなければ本人に許可を取ってもらう。ただし、資格外活動ができないビザもあります。
→資格外活動で指定された労働時間(例:週28時間など)を遵守する