※この記事は、永住許可ガイドライン(令和7年10月30日改訂)と、入管庁の提出書類チェックシート(年金・医療保険の納付状況に関する部分)に基づいて、最新版の運用に合わせて整理しています。

永住ビザ(在留資格:永住者)には大きく3つの要件が課せられています。

  1. 素行が善良であること
  2. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
  3. その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

このうち「3」についてはもう少し細分化されているのですが、法務省が発表している永住許可のガイドラインには 下記の文言があります。

公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。

ずっと会社員の方は給料天引きで支払っている場合がほとんどなので問題にならないことが多いのですが、それ以外の人は要注意です。

この記事では公的年金と公的医療保険の保険料(年金と健康保険)にフォーカスしています。納税については下記記事で詳しく解説しますね。

年金と健康保険は日本居住者に加入義務があります

「年金加入は日本国民の義務」だなんて言い方されますが、実は日本に住んでいる外国人も加入義務があります。もう少し正確に言えば、在留カードを持っている外国人は全て加入義務対象となります。つまり短期の旅行者以外は対象ということです(観光客には在留カードは交付されません)。

健康保険も同様です。

日本で永住権を取ろうと考えている方は、必ず年金と健康保険に加入してください。

会社員であれば、厚生年金と会社手配の健康保険に加入することが一般的です。

それ以外の方は、自分で国民年金や国民健康保険に加入しなければなりません。

また、結婚した場合は配偶者の扶養に入るという方法が取れます。被扶養者の収入次第ですが、年金も健康保険も被扶養者は払わなくて済むようになりますので、結婚した場合は会社の人に相談してみて下さいね。

1. 年金と健康保険は「加入」だけでは足りません

永住申請で見られるのは、ざっくり言うと次の2点です。

・そもそも、加入義務があるのに未加入期間がないか
・加入しているだけでなく、保険料を期限内に納めているか(未納・遅延納付がないか)

ガイドライン上も、公的義務(公的年金・公的医療保険の保険料の納付)を適正に履行していることが求められ、納期限後の納付は原則として消極評価とされています。


2. 「何年分」見られる?(原則は直近2年)

年金・健康保険については原則として「過去2年間に加入した制度」に応じて、必要書類を出してください(加入していた制度が複数ある場合は、それぞれ必要)。

※例:直近2年の中で
・会社員→厚生年金+協会けんぽ等
・退職して無職期間あり→国民年金+国民健康保険
のように切り替わっている方は、両方の制度の資料が必要になる、というイメージです。

例外(実子等)

「日本人・永住者・特別永住者の実子等」については、直近1年分の提出とされるケースがあります。
(※どの類型に当たるかで変わるので、必ず該当のチェックシートで最終確認してください)


3. 注意点(ここで落ちる方が多いです)

(1)国民年金・国民健康保険の“領収書”が揃わない

直近2年の中で国民年金/国民健康保険(普通徴収)の期間がある方は、「その期間の領収書(写し)」の提出を求められるのが基本です。
入管は「払ったかどうか」だけでなく、期限どおりに払っているかも見ています。

(2)「後でまとめて払った」は危険

ガイドライン上、申請時点で納付済みでも、当初の納付期限内に履行されていないと原則マイナス評価です。
軽微な遅れでも安全とは言えないので、できるだけ避けたいところです。

(3)退職・転職が多い方は“制度の切替”に要注意

転職や退職があると、健康保険・年金の制度が切り替わって、国保・国民年金の期間が一時的に発生しやすいです。
この場合は、その期間分の書類(領収書等)も必要になります。


4. 年金に関する提出書類(原則:直近2年)

直近2年間の公的年金の保険料の納付状況については以下の通りです。

A)「ねんきん定期便」または「ねんきんネット」

どちらかを用意します。

・ねんきん定期便:全期間の年金記録情報が表示されているもの(封書)
 ※毎年届くハガキ形式は、全期間が確認できないため原則使えません。

・ねんきんネット:「各月の年金記録」の印刷画面 ←おススメ
 ※印刷は画面右の「印刷する」から可能です。

※直近2年に国民年金の期間がある方は、ねんきんネットで「国民年金の年金記録(各月の納付状況)」の画面も併せて提出が必要です。

B)国民年金保険料の領収証書(写し)

直近2年の中で国民年金に加入していた期間がある方は、その期間分の領収証書(写し)を提出します。

【黒塗りの注意】
基礎年金番号などは黒塗りする必要があります。

5. 健康保険に関する提出書類(原則:直近2年)

まず大前提:保険証が制度移行しています

令和6年12月2日から、従来の健康保険証の新規発行は終了し、マイナ保険証の仕組みに移行しています。
また、従来の健康保険証の有効期限は最長で令和7年12月1日までで、令和7年12月2日以降は「マイナ保険証」か「資格確認書」を提示する運用です。

入管のチェックシート上は「被保険者証(写し)」と書かれていることが多いですが、現在は手元の状況により
・健康保険証(有効期間内のもの)
・資格確認書
など、加入を示せる書類で代替できるかを含め、事前に確認しておくのが安全です。

A)加入を示す書類(世帯全員分)

現在加入中の健康保険の保険証が必要です。以下のどちらかの書類が必要です。

・世帯全員の健康保険(協会けんぽ等)の被保険者証(写し)等
・世帯全員の国民健康保険の被保険者証(写し)等

【黒塗りの注意】
保険者番号・被保険者記号番号等は黒塗り、という注意書きがあります。

B)国民健康保険に加入していた方:納付証明書+領収書(写し)

直近2年に国民健康保険の期間がある方は、以下の書類が必要です。
・国民健康保険料(税)納付証明書
・国民健康保険料(税)領収証書(写し)

申請人が事業主の場合

申請時点(直近2年の中)に社会保険適用事業所の事業主である期間がある方は、事業所としての社会保険料についても資料提出が必要です。

以下のどちらかを提出することになります。

・健康保険・厚生年金保険料 領収証書(写し)
・社会保険料納入証明書/社会保険料納入確認書(未納の有無を証明・確認するもの)


7. 最後に(結論)

永住申請の年金・健康保険は、単に「加入している」だけでは足りず、直近2年(原則)の納付状況を、期限内納付も含めて説明できる状態にしておくことが大切です。

特に、国民年金/国民健康保険の期間がある方、転職・退職が多い方、事業主の方は、書類が増えやすいので早めに準備してくださいね。