永住許可申請の許可率は2017年度で60%未満、約半数の方が不許可になります。そして、不許可になる方の多くはご自身でビザの取得・更新をしてきた方。一般の方にとって永住ビザの申請は難しいようです。
永住許可申請の不許可通知
永住許可申請が不許可になった場合、下記のような通知が届くことになります。
出入国管理及び難民認定法第22条第2項第〇号に適合すると認められません。
「your case is not in conformity with provisions of Article 22, paragraph 2 ( ) of the Immigration Control and Refugee Recognition Act
あなたのこれまでの在留実績からみて、出入国管理及び難民認定法第22条第2項本文の要件に適合すると認められません。
Judging from the past record of your stay inaJapan so far, your case is not in conformity with provisions of Article22, paragraph 2 of the Immigration Control and Refugee Recognition Act.
不許可理由の詳細の記述はなく、あくまで「法律で定義している要件を満たしていない・適合していない」という漠然とした回答ですので、「なぜ不許可になったか」「どうしたらいいのか」が分からないという方が大多数です。
不許可理由は2パターン
永住許可の不許可理由2パターンに分けられます。
要件を満たしていないか、満たしていないと誤解されるか、です。
そもそも「永住許可要件を満たしていない」
例えば、引き続き10年日本に居住していなければならないところ、10年のうち1年くらい海外出張をしていた場合や、収入が低すぎる、犯罪歴がある場合などです。
永住許可要件を満たさなければ許可はされませんので、時間の経過を待ったり転職や就職するなどをしなければ、再申請しても無駄なパターンです。
「永住許可要件を満たしていない」と誤解される
申請書類での説明不足であったり、誤解を生む内容での申請、書類不備で不許可になるパターンです。例えば、本人の収入が低いために一見では生計要件を満たしていない、でも然るべき資料を提示していれば生計要件をみたしていることを証明できた場合などです。
このパターンであれば、弊所のようなビザ専門の行政書士に依頼すれば高確率で永住許可を得ることができます。単純に再申請するのではなく、お客様を許可される状態にコンサルティングをさせていただいた上で再申請をすることが可能です。
永住申請が不許可になったら行動すること
永住許可申請が不許可になりましたら自分で勝手に判断するのではなく、不許可を下した入国管理局に確認しに行きましょう。
不許可になった理由が今すぐ解決できるものであったり、入国管理局の誤解であれば再申請をしましょう。
永住許可申請の不許可通知が届いてからの手順は下記の通りです。
- 『入国管理局に不許可理由を聞きに行く』
- 『永住ビザについて調べなおす』
- 『必要書類を再収集』
- 『申請書類を再作成』
- 『入国管理局へ再申請しに行く』
入国管理局に不許可理由を確認しに行く
不許可通知書には法律の条文が書いてある程度ですので、不許可理由がよく分かりません。
そこで、入国管理局へ理由を確認しに行きましょう。
注意してほしいことは、クレームを言う場所ではないということ。いくら抗議しても結果は変わりません。声を荒げても心証が悪くなるだけ。正しい抗議の仕方は永住許可を取れる再申請をすることだけです。その場で弁明しても不許可が覆ることはあり得ませんので、不許可理由を確認することに努めましょう。
また、不許可理由は懇切丁寧に教えてもらえないと考えてください。入国管理局側は「聞かれたら答える」姿勢と思っておいた方がベター。聞き方を誤ると、複数ある不許可理由のうちの一つしか答えてくれないことも。
なぜなら、入国管理局には「法的に」説明責任が無いからです。市役所での手続きで懇切丁寧に教えてもらった経験があると思いますが、管轄の法律が違うため丁寧な説明は期待しないでくださいね。ましてや不許可になった申請に対して「こうすれば許可になりますよ」なんて説明は無いと考えてください。
永住ビザについて調べなおす
不許可理由が分かっても、どうすればいいかまでは教えてもらうことはできません。そこで、永住ビザについて色々と調べなおすことになります。
本を購読したり、知人に聞いたり、インターネットで調べたり。
しかし、どれも一般的な話であったり、特定の個人に当てはまる話であって、自分のケースに当てはめることは難しいかもしれません。また、入国管理局のインフォメーションセンター等に聞くことも方法の一つですが、個別具体的な回答は得られず一般的な回答、またはとりあえず申請してくださいという回答に終わる可能性が高いです。
一番確実なのは弊所のようなビザの専門家に問合せしてみることです。初回相談は無料にしているところが多く、依頼する/しないにかかわらず相談してみてくださいね。時間も短縮されますし、確実な回答を得ることができると思います。
必要書類を再収集・再作成
次は再申請に向け資料を準備します。
公的書類はほとんど取り直しをしなくてはなりません。永住ビザの申請してから不許可結果~再申請するまでに数か月は経過していると思います。日本の公的書類の有効期限は3か月ですので、発行日から3か月経過した公的書類は市役所や税務署などから再取得をします。
また、申請書類は一度不許可になっていますので修正が必要になっているはずです。また、税金関係などは証明書の再取得のタイミングによって金額が変わりますので、最新の数値を申請書に記入していくことになります。
入国管理局へ再申請しに行く
不許可理由をクリアし、申請書類一式を揃えましたら再申請です。
再申請が受理されましたら結果が出るまで待ちましょう。標準審査期間は4か月、実際は半年前後かかります。
また、不許可理由の確認と再申請とで、不許可になったら2回は入国管理局へ行くことになりますね。
不許可理由の確認に同行します!
先ほど述べました通り、不許可理由の確認はそれほど簡単なことではありません。不許可になった理由を全て確認できなければ意味がなく、また親切に1から10まで回答を得ることは容易ではありません。
そこでは弊所では不許可理由確認の同行サービスを行っております。
ビザの専門の行政書士がお客様と入国管理局に同行し、次回の再申請に向けて不許可理由を確認し、対策をお客様にお伝えします。
不許可になったからこそ専門家に代行申請のご依頼を
再申請の審査は正直厳しくなります。
なぜなら、前回の申請との比較もされるからです。前回の永住許可申請は当然に入国管理局に保管されており、再申請の内容と前回申請の内容が確認されることになります。その際、再申請の内容は不許可理由をクリアした内容になっているはずですので、前回申請内容と矛盾が生じることになります。その矛盾をきちんと説明することが難しく、下手をすれば「嘘つきで信憑性が無い」と断罪されてしまうこともあり、そうなれば許可になるはずのものも不許可になってしまいます。
そのため、自分で再申請をするのではなく、多少費用はかかっても専門家に依頼をされることをお勧めします。