私は日本滞在ビザの専門ですが、興味深いブログを見つけたのでご紹介を。

fushiroyama.hatenablog.com

こちらの記事は、日本で働くプログラマー(ソフトウェア技術者)がアメリカの会社から内定をもらったけどビザが取れなかったという話です。

ブログ内の他の記事をさっと見たところ、経験豊富で優秀なプログラマーとお見受けしました。そんな彼は、「大卒だがコンピューターサイエンスの学位も持っていないし専攻もしていないからビザが取れなかった」と考えているようです。

この記事を見て、「アメリカのビザ発給の基準ってそんなに厳しんだ〜」と感じたのですが、どういった基準があるか調べてみることに。

特殊技能職ビザ(H-1B)

どうやら彼は特殊技能職ビザが該当しそうです。本人もブログでおっしゃっていました。

特殊技能職ビザ(H-1B)

◆対象:
・米国企業で専門的な職業に携わる方
・職務が求める特定分野での学士号またはそれ以上の学位をお持ちの方
・上記に該当しない場合:完全に職種と合致し、その分野で6年以上の職歴が必要(学歴経験評価査定が必要になります)

◆ビザの有効期限:最初の認可期間は3年
※延長が可能だが最長は6年、その後の再申請は、1年以上米国外に滞在後に可能

◆その他:年間の請願の発給枠が決められているため、手続きのタイミングには注意が必要です。
※発給枠は65,000件、米国の大学院を卒業した方は別枠で20,000件

(出展:http://www.usavisa.jp/guide/guide_visa_h.html

上記はアメリカの渡航ビザを扱っている日本の弁護士事務所のHPからの抜粋です。アメリカ大使館のHPから情報を取ってきたかったのですが、ちょっと読みづらかったので2次情報になってしまいますが、ご勘弁を。

この条件をざっと見る限り、ビザ取得の条件は

  • 仕事内容に完全に一致する学歴(学士以上を所持)
  • 学歴が無ければ、実務経験が6年以上必要

となっているようです。学士は一般的に4年生大学を卒業すると取得できます。

では日本のビザと比べてみましょう。

 

日本の就労ビザの実務経験は3年または10年

一方の日本の就労ビザだと「技術・人文・国際業務」が当てはまります。このビザの取得条件は、仕事内容と関連する学歴または実務経験を3年or10年です。

 

プログラマー、SEなどは実務経験10年

その中でも彼は「技術」枠ですね。そして、仕事内容に関連する学歴をお持ちでないということなので、実務経験は10年必要です。

あれ、日本の方がアメリカより条件厳しいですね。もう少し細かく見てみます。

 

日本とアメリカの就労ビザの取得条件の対比

アメリカ:特殊技能職ビザ(H-1B)

  • 仕事内容に完全に一致する学歴(学士以上を所持)
  • 学歴が無ければ、実務経験が6年以上必要

日本:技術・人文・国際業務

  • 仕事内容に関連する学歴(学士又は短期大学士、高度専門士など)
  • 実務経験10年(学歴を加算可能)

アメリカのビザ専門家ではないので、2次情報を基にした明確な比較は避けておきます。

まずは学歴から。

アメリカは学士以上、日本は学士未満も可能とされていますので、日本の方が緩い条件です。日本の就労ビザは短大卒や専門学校卒でも学歴の基準を満たすことができます。

※外国の専門学校だと高度専門士の資格が必要。日本の専門学校であれば専門士(2年で取得)となります。
※アメリカの就労ビザは、学士だけでなく「学士と同等」という但し書きがおそらく付くと思います。

また、実務経験の比較を。

実務経験数は日本の方が厳しいですね。

アメリカ6年、日本10年となっています。ただし、日本は10年の中に学歴も含むことができます。

大卒であれば10年に含まずとも条件を満たすので、「あれ?」となりますが、ここでいう学歴には高校や中学校の一部も仕事内容と関連する科目を専攻していた期間も含むことができるということです。日本で言えば農業高校や水産高校が当てはまると思います。中学校は思いつきません。

とは言え、学歴関係ないという前提ではアメリカの方が実務経験の条件は緩いですね。

 

日本とアメリカの就労ビザの対比まとめ

学歴で見るとアメリカの方が厳しいです。

学歴の問われ方が日本と違う気がしますね。日本はネームバリュー。アメリカは能力を測る指標としているような気がします。一方の実務経験は日本の方が厳しいです。

働き方の違いかもしれませんね。日本は終身雇用(今は崩れている最中)、アメリカは専門職を転々とする働き方です。

また、日本はビザの発給数は定められていません(公表していないだけかもしれませんが…)。アメリカは65,000件と明示されています。日本の人口は1億2千万人、アメリカの人口は3億2千万人。日本の技術・人文・国際業務のビザの新規発行数は2万人(2016年)、アメリカは上限6万5千人。人口比率からするとほぼ二アリーですが、アメリカは移民大国です。移民大国にしては日本と同じくらいというのは少ない気がしますね。

つまり、アメリカの就労ビザの取得は難しいということ。

仕事をするためのビザって条件が合えば取れるイメージがあるのですが、アメリカでは条件がマッチしている人たちの中で競争があるのかもしれません。

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