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在留資格名「技術・人文知識・国際業務」ってこんなビザ

技術・人文知識・国際業務ビザは、いわゆるホワイトカラー職種の外国人の方に与えられる就労ビザです。開発者や事務方、翻訳などが主に該当します。会社員の多くが当てはまるビザですが、実際には、会社のほかに個人事業主からの雇用やフリーランスも当てはまるケースがありますね。

また、もともとは「技術」と「人文知識・国際業務」に分かれていた在留資格ですが、2015年(平成27年)4月1日から「技術・人文知識・国際業務」に一本化されています。

ちなみに、専門家や日常的にビザを扱う職種の方は、略して「技人国(ぎじんこく)」と言ったりします。

法令での表現はこのようになっています。

出入国管理及び難民認定法 別表第一

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項、芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで、企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)

詳しくは後ほど見ていきます。

 

技術・人文知識・国際業務ビザの外国人数

この技術・人文知識・国際業務ビザ、ビザの発行数の順番は第4位で、所有者数は約18万人です。永住者、特別永住者、留学ビザの次に多いビザなんです。ちなみに、日本に住んでいる外国人は約247万人(一部除く)、留学ビザは29万人。人数の多そうな技能実習ビザは細分化されているのでtop5圏外です。
(数値は法務省発行の2017年6月の在留外国人統計を使用)

また、2年前の同じ統計で比較してみると、日本に住んでいる外国人の方の人数が114%の増加に対して、「技術・人文知識・国際業務」ビザ所有の外国人の方の人数は136%も増加しています。

どんどん優秀な外国人の方が海外から来ています。

 

技術・人文知識・国際業務ビザの在留期間

技術・人文知識・国際業務ビザの在留期間の種類は5年、3年、1年、3月です。

技術・人文知識・国際業務ビザの具体的な仕事は?

前置きが長くなりましたが、「技術・人文知識・国際業務」の1つ1つの言葉は次のような業務のことです。

  • 「技術」=理系の業務
  • 「人文知識」=文系の業務
  • 「国際業務」=外国人特有または特殊な能力を活かした業務

具体的な職種で表すとこのようになります。

「技術」:理系の分野に関する知識を必要とする業務
  • SEやソフトウェア開発者などのIT技術者
  • 土木建築の設計者
  • 電機メーカーでの開発業務
  • 機械設計、回路設計等
  • 製薬会社での医療品開発 など
「人文知識」:文系の分野に関する知識を必要とする業務
  • 金融機関における業務
  • マーケティング業務
  • 貿易業務
  • 経理
  • 法務 など
「国際業務」:外国人特有又は特殊な能力などを活かした業務
  • 翻訳・通訳
  • 語学学校などの語学講師
  • デザイナー など

これらの例を見ると、技術・人文知識・国際業務ビザは幅広い仕事に該当することが分かると思います。

ただし、「この仕事に就きたいから、この就労ビザを取ろう」という感じではビザは取れません。なぜなら、ビザ(在留資格)の取得には、外国人の方の能力・経験・身分とそのビザが該当するかを審査されるからです。就労ビザは、学歴や実務経験、能力が厳しく審査されます。そして、それらがビザの内容とマッチしているかも見られます。

日本人的感覚であれば、理系だとしても文系職種に就くことができますが、外国人の方はできないんです。外国人の方が就職する際には、また外国人の方の雇用を検討する際にはビザの条件をしっかりと考えなくてはなりません。

 

技術・人文知識・国際業務ビザでクリアすべき条件

先ほど少し触れましたが、ビザ(在留資格)を得るためには条件を満たす必要があります。「技術・人文知識・国際業務」ビザであれば、仕事と関係のある大学等を卒業していることや実務経験○年という条件があります。

ここでは、「技術・人文知識」と「国際業務」で条件が異なること、また、共通の条件について説明していきます。

 

「技術・人文知識」の必要条件

「技術・人文知識」はエンジニアや開発等の理系の職種やオフィスの事務方の仕事ですね。

仕事内容と外国人の方の学歴経験が以下のいずれかに当てはまらなくてはなりません。学歴だけで条件を満たす人もいれば、実務経験のみで、または学歴と実務経験で条件を満たす人もいます。

 

①学歴の条件:一定以上の学歴と専攻科目が仕事内容と関連していること

学歴要件が2つあります。まず、一定の学校を卒業していることが条件です。

大学を卒業としましたが、実際は短大や高専でもOKです。日本の採用募集条件にならって言えば、短期大学・高等専門学校卒業以上です。つまり、高卒や専門学校ではダメとも言えます。学校名については国によって異なるので少しややこしくなりますが、基本的には「学士又は短期大学士以上の学位」を持っていれば一定の学校を卒業している条件は満たしていると考えても大丈夫です。

また、「同等以上の教育を受けたこと」があればOKともされています。例えば、「大学院に入学資格がある(=大学卒業レベルである)」といったケースが当てはまり、具体的には高度専門士がそうです。

他にもあります。先ほど挙げた例は、あくまで全世界を対象とした学歴についてです。日本の専修学校の専門課程を修了していれば、条件が緩和されます。専修学校と言うとピンとこないと思いますが、いわゆる専門学校です。ここで専門士の資格を取得すれば学歴を満たすことができます(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。)。専門士は2年で取ることが可能です。反対に外国の専門学校卒(専門士)では学歴を満たすことはできません。

もう1つの条件ですが、仕事内容と学校での専攻内容が関連していることが条件です。

つまり、理系専攻をしていた場合はマーケティングなどの仕事ではビザは取れません。また、同じ文系でも商学部卒では法務業務の仕事に就くことができなんいんですね。

最後になりましたが、学歴が関係ない場合もあります。
情報処理系の職種(プログラマーなど)に就く場合に限りますが、法務大臣が指定する資格を持っていれば学歴条件は免除されます。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyukan_hourei_h09.html

まとめますと、このようになります。

■学歴について、いずれかに該当すること

  • 学歴が高専、短大卒以上(学士又は短期大学士以上の学位を持っていること)
  • 専門士所持者(日本の専門学校に限る)
  • 高度専門士所持者(海外の専修学校の場合は専門士では不十分)
  • 法務大臣指定の資格の所持者

■仕事との関連性について、下記に該当すること

  • 上記の学歴、資格が仕事内容と関連していること

法令上の表現はこのようになっています。

従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な技術又は知識を修得していること。
ただし、申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、この限りでない。

イ 当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。
ロ 当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。)したこと。

 

②実務経験要件:その仕事についての10年以上の経験が必要

学歴で条件が満たせなかった場合は、実務経験の有無について見てみましょう。

10年以上の経験が必要とされていますが、「10年働いた」ということではありません。この期間には学歴も含むことができる場合があるんです。それは、関係のある科目の履修です。その履修期間を実務経験に含めることができますので、例えば短大2年(仕事内容と関連のある科目を専攻)、就職8年(仕事内容とマッチしていることが必要)で、合計10年の実務経験とみなすことができます。

法令上の表現はこのようになっています。

ハ 十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連する科目を専攻した期間を含む。)を有すること。

 

「国際業務」の必要条件

「国際業務」とは、通訳や翻訳など、外国やその文化、または外国人の方と接する仕事のことを指します。

別の言い方をすれば、「日本語しか話せない日本人、日本文化しか知らない日本人では困難な仕事」です。

「技術・人文知識」とは異なり、仕事内容外国人の方の学歴や経験が以下のどちらにも当てはまらなくてはなりません。

 

①国際業務に該当する職種はある程度決まっています。

まず前置きをみてください。法令上、国際業務に当てはまるのは

外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合

とされています。

この前置きを見た上で、法令で挙げられている国際業務の職種を下記します。

「翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務」

そうすると、職種が2パターンに分けられるんですね。

「広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務」については、外国色が業務内容に含まれている必要があります。例えば、広報であれば外国人向けに発信するなどの仕事が含まれていなければなりません。

一方の「翻訳、通訳、語学の指導、これらに類似する業務」は仕事そのものに他国の言語を使うので、外国色云々は気にする必要はありません。

ただし、これらの仕事は2つの言語を使用しますので、ネイティブ以外の言語能力は必須です。基本的には日本語と母国語の組み合わせになると思います。

 

②国際業務では実務経験3年以上必要(翻訳・通訳系の職種は大卒であれば不要)

「広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務」に限っては、実務経験が3年必要です。

一方で、「翻訳、通訳、語学の指導、これらに類似する業務」であれば、専攻にかかわらず大学卒業者は実務経験3年以上の条件は免除されます。ただし、2つの言語を操れることを証明しなければなりません。

法令上の表現はこのようになっています。

二 申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。

イ 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。

ロ 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。

 

共通の必要条件①:報酬規定

「外国人だから安く雇える」というイメージをお持ちの方、いらっしゃいませんか?採用コスト、教育コストが日本人よりかかるから給料を低く抑えたいという考えもあるかと思います。

しかし、法令では次のように定められています。

三 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

この規定があるため、例えば大卒初任給20万円と決まっている会社であれば、大卒の外国人を雇うのであれば20万で雇用しなければなりません。

 

共通の必要条件②:前科の有無などの在留状況

悪さをする外国人の方に対して、日本は厳しい姿勢をとっています。
過去、重大な犯罪を犯した人は、そもそも入国できませんし、一定以上の犯罪を犯したりするとビザの更新ができなく帰国を余儀なくされることも。

これから技人国ビザを取ろうとする外国人の方は犯罪歴に問題がないことが多いですが、例えば留学ビザで日本滞在している方であればアルバイトの就労時間制限(週28時間)を守るようにしてくださいね。

ただ、超えたからといって技人国ビザが取れないとは限りませんが、審査に不利に働くことは間違いありません。

 

共通の必要条件③:雇用契約・内定済みであること

契約形態は企業と外国人の方との直接の雇用以外でも大丈夫です。
雇用契約以外に、委任契約、委託契約、嘱託契約、派遣契約、請負契約も含まれます。

ただし、注意して欲しいのが「契約済み」「内定済み」であることが必要ということ。
「技術・人文知識・国際業務」ビザなどの就労ビザは、働くためのビザです。そして、このビザを取るためには「どこで働くか」が決まっていなければなりません。

これから就職しようとする方は、まず採用先を探してください。
雇用側の方は、採用選考を終えて、雇用契約書の締結や内定通知書などを準備ください。ビザの申請には雇用契約書等が必要になります。
※雇用契約書や内定通知書には、労働条件等の記載が必要です。

また、「雇用契約をしたのにビザが下りなければ契約はどうなるんだ」、という心配もあると思いますが、契約書に下記のような文言を一筆加えておけば問題ありません。

本契約は日本政府による就労可能な在留資格の許可及び在留期間の更新を条件として発効するものとする。

あくまで一例です。ご使用中の契約書に合わせて適宜変更してください。この条文を平たく言えば、「ビザが取れなければ雇用の話はなかったことになりますよ」ということです。

なんども申し訳ありませんが、また言います。ビザが取れてからしか働くことはできません。契約締結したから、ビザの申請をしたからと言って働かせないでくださいね。でないと、不法就労助長罪に問われますよ!(3年以下の懲役、300万円以下の罰金刑)

 

共通の必要条件④:勤務先の決算状況

経営状況が悪く、会社として安定性がない場合はビザが取れません。
日本政府は外国人の方に対して「安定性」を求めているので、倒産や失業リスクの高いところでは働いてほしくないと考えています。

つまり、赤字決算の会社や、新設の会社、規模の小さい個人事業などは「技術・人文知識・国際業務」ビザで外国人を雇うのは難しいということです。ただし、事業計画書などで、会社などの将来性を審査側に上手く伝えることができれば大丈夫です。また、新設の会社であれば決算書のかわりに事業計画書を出します。

ということで、経営状況を審査されるため、決算書(損益計算書・貸借対照表)や職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表などを提出することになります(一定規模の会社は提出不要)。

 

「技術・人文知識・国際業務」ビザの注意点

日本で働くためのビザはいくつも種類があり、他のビザは厳格に職種が決まっていることが多いのですが、技術・人文知識・国際業務ビザは幅広い職種に対応できるビザであるがゆえに、注意する点も多くあります。

いわゆる、総合職的な職種に就くことが多いため、グレーな部分が結構あるんですよね。

お医者さんであれば、医者以外の仕事はほとんどしないでしょうが、総合職ではその名の通り、なんでもやります。これが行き過ぎると「技術・人文知識・国際業務」ビザの範囲を逸脱してしまうことになりますので、申請時もそうですし、実際に働き始めてから、雇用を始めてからも注意が必要です。

 

注意点①:他のビザに該当しないか

そもそも他のビザでしか就労できないということもありますし、他のビザの方が外国人の方にとって優遇される場合もあります。

 

企業内転勤ビザ

海外の事業所から日本の事業所へ転勤する場合であれば、企業内転勤ビザが該当することが多いです。

企業内転勤ビザでは、「技術・人文知識・国際業務」ビザのように学歴・実務経験に関する期間の条件がありませんので、比較的にビザの取得は容易です。
※職務内容が「技術・人文知識・国際業務」ビザ相当であることは必須。

しかし、学歴・経験が問われない代わりに、会社の在籍期間を問われます。
企業内転勤ビザでは、在籍期間1年以上という条件を満たす必要があります

つまり、在籍期間1年未満の外国人社員を海外から日本に転勤させた場合は企業内転勤ビザが取れません。この場合は「技術・人文知識・国際業務」ビザの取得を検討することになります。

 

経営・管理ビザ

経営者や役員、部長といった経営職や、支店長、工場長などの管理職として経営や管理(マネジメント)を行う場合は経営・管理ビザが該当します。

ただし、会社規模が小さければいくら役職が高くとも経営・管理ビザはとれません。その場合は役員であっても技術・人文知識・国際業務ビザとなります。

 

高度専門職ビザ

高度専門職ビザは就労ビザの中でも最高位のビザです。現在、「技術・人文知識・国際業務」ビザをアップグレードするイメージですね。高度専門職ビザを持てば、次のような優遇措置があります。

  1. 特別な許可がなくても許可された活動以外の活動を行うことができる!
  2. 一律「5年」の在留期間が与えられる!(高度専門職2号にレベルアップすれば無期限!)
  3. 永住許可の要件が緩和される!
  4. 高度専門職の配偶者が働きやすくなる!
  5. を連れてくることができる!(ただし条件つき)
  6. 外国人の家事使用人を雇うことができる!(ただし条件つき)
  7. 入国管理局での入国・在留手続を優先的に処理してくれる!

 

教授ビザ、研究ビザ

研究職の場合は技術・人文知識・国際業務ビザを含めて3種類のビザが候補となります。

教授ビザは、本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究、研究の指導又は教育をする活動に該当します。

研究ビザは、本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動に該当します。企業においては基礎研究の場合となります。

技術・人文知識・国際業務ビザは、企業内の研究職が該当します。基礎研究であれば研究ビザとなりますが、営利目的に直結するもの(商品開発)などにあたる内容であれば技術・人文知識・国際業務ビザとなります。

 

医療ビザ

医療ビザは、医師、歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動に該当します。

技術・人文知識・国際業務ビザは、医療資格が不要の医療業務に就く場合に該当します。

 

教育ビザ

教育ビザは、本邦の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動に該当します。平たく言えば学校の先生ですね。

技術・人文知識・国際業務ビザは、一般企業などで研修の教鞭を振るう場合などが該当します。〇〇教室の先生もこちらのビザが該当する可能性が高いです。

 

法律・会計業務ビザ

法律・会計業務ビザは、法律・会計関係の職業のうち、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、外国法事務弁護士、公認会計士、外国公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士及び行政書士としての日本の法律上の資格を有する外国人が行うとされている業務に従事する活動に該当します。

技術・人文知識・国際業務ビザは、上記の資格を持っているだけで資格を使わない業務に就いている場合に該当する可能性があります。

 

就職してもビザの変更が必要ない場合があります

外国人の方が、すでに就労制限の無い(職業選択の自由がある)ビザを持っていれば就労ビザへの変更の必要はありません。就労制限の無いビザとは、永住ビザ、日本人の配偶者等ビザ、永住者の配偶者等ビザ、定住者ビザの4つです。

もちろん、日本に帰化した場合はすでに日本人ですので、ビザの問題は発生しません。

ただし、これらのビザはその身分が無くなると失ってしまいますのでご注意ください(日本人と離婚した場合など)。

 

注意点②転職した場合は仕事内容に注意!

転職した場合は仕事内容に注意しなければなりません。

現在所持している就労ビザの仕事内容が転職後の仕事内容と同じであれば、在留資格の制度上、問題になることはほぼありません。「問題になる」とは、不法就労扱いされるということです。
この場合の大きな変更点は「雇用側」ですので、次回のビザの更新まで問題になることは無いと考えていただいても大丈夫です。

ただし、労働条件や仕事内容には若干の変更があるはずですので、ビザの更新申請が不許可になる可能性があります。

ビザの更新できるかを早めに確認したい場合は「就労資格証明書(入国管理局で申請)」を申請・取得しておくことをお勧めします。就労資格証明書を事前にとっていれば、次回のビザ更新は状況が変わっていない限り許可されます。

しかし、仕事内容が変わる場合は要注意です。例えば、通訳の仕事をするということで「技術・人文・国際業務」ビザを持っている外国人の方が、マーケティングの仕事へ転職する場合。この場合、国際業務(通訳)に該当するということで就労ビザを持っていたはずですが、転職先では人文業務(マーケティング)に該当する仕事をするということになります。

ビザの発給側としては、
「あれ、あなたには国際業務の仕事に就く前提で就労ビザを出したのであって、人文業務に就くなんて聞いてないよ」
というふうになりますよね。

同じ仕事に転職するよりもリスクがあるんですね。お持ちの就労ビザに該当しない可能性があると認識してください。

そのため、先ほどご紹介した就労資格証明書の取得が重要になってきます。これが取得できるということは在留資格上の問題は無いと言えますので、ビザの更新ができずに退職を余儀なくされる可能性がほぼ無くなりますので、雇用側としても採用活動も無駄になりませんし、外国人側としても安心して働くことができます。おすすめは内定のタイミングですね。就労資格証明書が取得できれば就労開始、就労資格証明書が取得できなければ採用見送りと言った具合に。

転職先の仕事内容がお持ちの就労ビザの仕事内容に該当しない場合はどうでしょうか。

この場合、不法就労が確定します。雇用側・外国人従業員側の双方が犯罪を犯している状況になります。懲役・罰金が科せられる可能性がありますので、所持している就労ビザに転職先の仕事内容がマッチしているか不安な場合は入国管理局や専門家に相談しましょう。

注意点③ブルーカラーに該当する仕事では不許可になる

とても難しい問題です。

例えば、店頭での接客は、基本的にはブルーカラー(単純労働)として考えられます。しかし、そこに通訳という仕事があればホワイトカラーの要素も出てくるんです。

この場合、「どれだけホワイトカラー色=通訳業務が多いか」が論点になります。

また、正社員であれば接客以外にも業務があるはずですので、そこにもホワイトカラー要素があれば、業務全体を総合的に勘案して「技術・人文知識・国際業務ビザ」に該当すると言えることになります。

「総合的に」がミソです。明確な線引きが難しいので、専門家にご相談されることをお勧めします。

 

注意点④中・長期の研修がある場合はビザが取れないかも

会社に入社すると、初めは研修からスタートすることが多いですよね。それこそ大きな企業になると、半年〜1年の研修はよくある話です。私も企業に就職した際には工場研修や店頭研修、座学研修など様々な研修を受けました。
また、飲食店などでは、将来の幹部候補生として数年にわたって下積みを要請されることも多々あります。入社後数年間はアルバイトと同じような仕事内容をする場合ですね。

研修期間が長期になる場合は、まずビザは取れないと考えた方がいいです。ブルーカラー要員としての採用であるという懸念が払拭できないんです。

研修期間の目安は1ヶ月以内としてください。ある程度の規模の会社であれば更に研修期間が長期でもビザが取れることはありますが、いずれにせよ研修期間の仕事内容はビザで定められた仕事内容とは異なりますので、ビザの審査側(入国管理局)としても長期の研修期間は認めないスタンスを取っています。

研修期間がネックでビザが不許可になることはよくある話です。こうした事態を避けるため、技術・人文知識・国際業務ビザで外国人を雇用する場合は研修期間・内容についてしっかり検討する必要があります。